第13回Dr.キャリアカフェ【6/16】イクメンドクターランチミーティング 
『40歳からの子育て体験記〜夫婦で大学教員ってあり〜』開催報告

平成29年6月16日(金)12:00〜13:00
第13回Dr.キャリアカフェ
(総合臨床教育係・D&Nplusブラッシュアップセンター共同主催)

イクメンドクターランチミーティングを開催しました。

 今回の講師は呼吸器内科 小林和幸先生。
 小林先生は呼吸器内科の医師として診療、医学教育者として学生、研修医の指導、医学研究者として大学院生の基礎研究指導に携わられておられます。
医局では今年3月末までは医局長という役割を担いまた今年4月からは医療の質・安全管理部の副部長に就任され日々ご活躍しておられます。
 一方で循環器内科医の奥様とご家庭内での家族(夫、父親)としての役割を分担しこなしておられるとのこと。
今回は日常の家事・育児と  その経験を活かした医局運営について自然体でかつ日々奮闘!?されているご様子を 穏やかなトーンの中ところどころに笑いも交え  ながら楽しくお話しいただきました。
 
partT
1.家族構成
2.家族の略歴
3.一日のスケジュール
4. 子育て比較(10年前と現在)
5. 子育てを経験してよかったこと

partU
6. 医局運営
7. 医局長の仕事

partV
8. QOLはquality of life
9. 仕事も家庭も生活も重視する
10. ライフワークバランスとは

partW
11質疑応答

partT
●家族構成
妻(循環器内科医師)、10代の息子、保育園児の娘、愛犬(6歳)


●一日のスケジュール
備考
5:00起床
洗濯機を回す
犬の散歩
6:00朝食準備妻起床
長男お弁当作り
6:30第2子朝食
7:30洗濯物干し
出勤
☆朝:娘と犬のお世話担当(妻-長男担当)

日中大学教員としての仕事備考
■医局長時代
外来2回/週 病棟係、入院患者対応、
外病院応援勤務
■平成29年4月より
医療の質・安全管理部副部長着任
外来1回/週。病棟なし。緊急呼び出しほぼなし
医局長の手伝い、補佐。

普段準緊急
(妻が遅い)
緊急
(2人とも遅い)
21:00帰宅
夕食
後片付け
17:30退社
保育所お迎え
夕食準備
3人で夕食
風呂
ファミリーサポート利用
(自宅近隣の
サポーター利用)
→保育所お迎え
第2子夕飯対応
ファミリーサポート先へ2人で迎えに行く
21:30犬の散歩
22:00風呂犬の散歩
23:00ご褒美ご褒美ご褒美
☆夕方から夜にかけて3パターンで対応

●子育て比較(10年前と現在)
10年前現在
プライベート身分大学院生大学教員
収入アルバイト収入給与
体力元気易疲労
親の気持ち必死余裕
職場・周辺環境ロールモデル不足自分達
周囲の理解不十分
社会的リソース情報不十分
利用している社会的リソースベビーシッターファミリーサポートセンター
育休制度等子育て情報なし
☆10年前と現在を比べて総合的に見ると満足度は変わらない。
☆子育て経験がある上に子育てしやすい社会環境となってきたと感じている。
☆肩車は10年前のほうが楽にできた。

●子育てを経験してよかったこと
・子どもの成長を直に感じられる。
・子どものためなら仕事もがんばれる。
・親2人とも大学勤務なので多くの仲間に助けてもらった。
・夫婦で教員というのはデメリットもあるが仕事上の大変さを理解し合える。
・お母さん医師の大変さが分かったように思う。
・子育てしてよかった。


partU
●医局運営
呼吸器内科は約半数が女性、就学前の子どもを持つ女性医師も多い医局。
更に医局長就任時は女性医師のほうが多くかつ子育て期の女性医師が多かった
ので、医局運営について真剣に考える時期になった。
女性医師と男性医師の意識の差
「医師のキャリア形成で女性がどんな時に不利だと感じますか?」という
アンケート結果に、「院内の立場やポジションに差ができる。」という意見が多く、
実際、パラレルで人生を歩んできた自分と妻を比べた
場合も役職や受け持つ仕事量に差があると感じている。
その他要因に留学や人間関係もあると思うので
この辺りについてをうまく考えていく必要がある。
ただ、特に何も感じないという男性が30%いることも凄いことで、
これは何とかせなあかんと思った。
●医局長の仕事
1. 医師になった人が途中で辞めないで済むような環境整備
「医師」として求められる基本的な資質とは、「男女を問わずキャリアを継続させ生涯にわたり自己研鑽を続ける意欲と態度を有する」ということ。このことを医師になる学生に教え、また医者になってからもそういう意識を持ち続けないといけない。
つまり、「医者になったら一生勉強せい!一生仕事せい!」ということ。一番医局長がしないといけない仕事はせっかく医師になった人が途中で辞めないで済むように考えることなんだと僕は思っています。
2. 医局内でのワークシェアリング
医局内3つの業務で分業、分担を実施。
 1).外来担当と入院担当の分業。お子さんを持っている人はできるだけ午前の診察の枠にする。午後の診察にお子さんを持っている先生も担当してもらうが、できるだけ4時頃までに終わるような患者数のところに配置する。「4時頃までに大学のディユーティが終わるようなプログラムが組めないのかな?」というのを考えながら外来枠を考えました。
 2).一応一つの目安として病棟の中を2つの主治医団に分けて運営。基本的に主治医は男性の教員が受け持つ。ただ積極的に病棟係として働きたいお母さん先生の場合は入ってもらうけれど、こういう人たちが一人で看るとか、この人たちだけで看なくてすむような環境作りとして、仕事は分ける形にしました。
 3).研究も分担しました。子育て期の大学院生の研究。検体採取を医局員皆で分担。外来に出ている人が外来で検査をする、採血をすることで臨床検体を大学院生の彼女だけが取るのではなく、とりあえず取れる人が取る。その結果論文が完成、大学院を無事卒業できました。こんなケースが2例あります。
 一方で医局内の男性の動向
ある男性医師、夕方の5時頃になると子どもを迎えに行く時間になるのでそわそわしてくる。昔はこんな時間帯に何かそんな子どもの話をするのも憚られているような雰囲気があったが、うちの医局はそんなこともなくなってきたように思っています。もう一人お子さんのいる子育て中の先生が、医局で今日の晩飯探していたようなこともある。非常に医局の中で子育てということに関してちょっと雰囲気が変わってきたように感じ、この10年間ロールモデルになったか分からないですが、やってみた結果こういう風に変わってきたことが非常に嬉しく思います。

partV
●QOLはquality of life、quantity of lifeではない
よく学生さんに「QOLのいい科はどこですか?」という質問を受けます。「吸器内科のQOLはどうなんですか?」聞かれます。「QOLってなんですか?」と試験で出すと、絶対学生さんは「quality of lifeです」とと答えるはずなんですけど、皆さんが聞く「QOLのいい科ってなんですか?」は「quantity」のこと。「どれだけ生活に時間が割けますか」という事をQOLだと勘違いしている学生さんが多いように思います。やっぱり仕事をするって言うのは、QOLっていうのは「quality」です。「どれだけ生活が充実するか、仕事が充実するか」ということを聞かれたら、「呼吸器内科はQOLはいい科です」って答えます。「quantityがいい科」っていう質問は僕にはしないでください。ちょっと意味が違うかな?と思います。
●仕事も家庭も生活も重視する
生活を横軸に取って、縦軸を仕事に取る。4方向に仕事重視、仕事軽視、生活重視、生活軽視とすると、生活も軽視して仕事も軽視するのはただのだらだら医師、生活重視して仕事をしない人はぬくぬく医師、仕事重視、生活軽視という人は、名前をバリバリ医師。その中には偽装バリバリ医師(実際はだらだらしているのに忙しいといい続ける人。)や過労バリバリ医師。できれば、仕事も重視して家庭も生活も重視する医師を作りたいというのが私の医局でのお仕事なのかなという風に感じています。
●ライフワークバランスとは
ライフワークバランスというと職場と仕事と家庭をうまくバランス取れとか、例えば仕事に8時間割いて家庭で16時間割くとか言うようなバランスを考えるようなイメージを持たれている方が多いと思うんですけど、そうではなくて、仕事がうまくいけば家庭も充実し、家庭でこうして子育てしたことが今の僕の仕事に生かされてると思うので、お互いを高めあうようなものであってほしいなと思っています。
以上です。

partW
●質疑応答
Q:医局の運営が変わってきたのはいつ頃?
A:私が教員になってから。私以降の呼吸器内科入局者数を数えると女性の方が多く、確実に女性医師が増えてきていた。教員になった頃から医局の中で医局員皆の時間割を決めたり調整する仕事をずっとして来たので、2013年からも医局長としてできるだけ考えを踏襲してやって来た。やりだすと意外とすっとできたという印象です。
Q:神戸大学の他の医局はどうか?
A:幸い循環器病棟と呼吸器病棟を一緒に看る当直態勢。循環器は当直できる男性医師が多く、調整してもらった当直日程にも、無理な先生の免除は伝えている。呼吸器内科は、「子育てしてる人とか産休に入られる方は当直免除する」とはっきり言い切っている。 当直免除の期間は今のところほぼ無制限。画一的な対応ではなく一人ひとりの環境に合わせ、もう「できそう?」とか確認することもある。
Q:共働き世帯。夫婦それぞれがバリバリ仕事をする上で、家庭と仕事の両立の為の家族の決め事、はあるか。
A:無い。行きたい研究会がある場合、誰かに話を聞けばいいと言うぐらいのつもりでいる。
Q:地域枠の女子学生に対する具体的なサポートについて教えて欲しい。
A:保育所はあるが困るポイントの一つに「病時保育」だろうと思う。地域の病院に行く時の病院選択の中の一つの理由に「お子さんのサポート」というのがある。ピンポイントで子ども預ける対応が要る。長期的にちょっと困るというときに使えるエマージェンシー的な、エクストラ的なサポートが必要だと思う。
Q:ベビーシッター費用は結構高い?
A:やはり高いのは高い。若い医者の場合は収入が少なかったり、バイト収入だったりするのでちょっと負担かなと思う。
Q:普段のサポートよりも急な対応に困っているのか?理解ある病院ならいいのか?
A:僕は困っていると思う。研修医一人で勤務の病院だったらともかく、複数いるような病院なら、そういう事態の時に病院の仕事をどうサポートしていくかということも大事。個人で解決するのは難しい。病院の体制等、研修医や若い医師はそういうところが気になると思う。理解があっても無くてもそういうサポートがあればいい。いやいやでも変わりにやってくれる医師がいたらそれは一番いいが、そういう人もないとなるとそれは辛いと思います。



 子育て経験十数年の小林先生は楽しみながら育児をされる「イクメン」であり、さらにその経験を医局運営に活かしておられる立派な「イクボス」でもいらっしゃいます。 このような「イクメン」や「イクボス」(小林先生は現役のイクメンでいらっしゃいますが)が病院内ひいては社会全体に増えていくことで、更に子育て期や介護期などで勤務制限をしながら働く人たちにとって働きやすい環境になるのではないかと感じた講演でした。 今回お忙しい中ご参加くださいました皆様ありがとうございました。 男性医師が複数名ご参加くださり、身近なロールモデルとして参考になることが多かったのではないでしょうか。 今回のイクメンランチミーティングについてや今後のD&Nplusブラッシュアップセンター主催キャリアカフェにご意見等お寄せいただけると幸いです。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


































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