整形外科 Orthopaedic Surgery
整形外科 Greeting
整形外科 診療責任医師 深瀬 直政 先生
主にスポーツ外傷、上肢疾患、骨・軟部腫瘍を対象としており、常に最新の知識と医療技術を駆使した専門的な医療を提供することに努めています。スポーツ分野では、スポーツ愛好家からトップレベルのアスリートまで、幅広く対応しています。前十字靭帯損傷や半月板損傷に対する膝関節専門医による関節鏡視下手術、足のスポーツ傷害に対する足の外科専門医による関節鏡視下手術など低侵襲な手術を行い、早期のスポーツ復帰をサポートします。上肢分野では、反復性肩関節脱臼・腱板損傷・野球肘・投球障害肩などに対して専門医が関節鏡手術を主体とした低侵襲手術を行っています。また、神経損傷に対する顕微鏡下神経縫合など、専門性の高い治療も手の外科専門医が実施しています。腫瘍分野では、四肢や体幹に発生する骨・軟部腫瘍を対象とします。良性腫瘍に対する切除術、悪性腫瘍である肉腫に対する根治切除などを、正確な良悪性診断のもとに骨軟部腫瘍専門医が実施しています。当院では術後のリハビリテーションにも力を入れており、早期のスポーツ復帰、社会復帰を目指します。安全で質の高い先進医療を提供し、患者様に高い満足感を味わっていただけるよう、スタッフ一同邁進してまいります。
深瀬 直政先生のメッセージ
整形外科では現在、主にスポーツ外傷、上肢疾患、骨・軟部腫瘍を対象としていますが、神戸大学医学部附属病院と連携した専門性の高い医療を提供できる強みを生かして、対象疾患の幅も広がり、手術症例も増えてきております。今後も患者様一人ひとりに寄り添った心のこもった医療を提供できるよう、チームで取り組んでまいります。
対象となる主な疾患
運動器疾患を対象としています。スポーツ障害（膝靱帯損傷、肩・肘・足関節障害など）、変形性関節症、リウマチ性疾患など各種関節疾患、骨軟部腫瘍、手の疾患、末梢神経疾患
基礎研究
近年、がん研究の分野で増殖や転移のメカニズムに関与する因子が、数多く取り上げられており、そのメカニズムを明らかにすることは、腫瘍を制御する上でとても重要です。しかし、「骨軟部悪性腫瘍」の分野では研究がまだ進んでいないのが現状です。ICCRC整形外科では、本院（神戸大学医学部附属病院）と連携し、骨軟部悪性腫瘍の細胞生物学的増殖・転移メカニズムの解明、新規治療法の開発を中心に、下記基礎研究に取り組んでいます。
- １.炭酸ガス経皮吸収療法による骨軟部悪性腫瘍に対する抗腫瘍効果の検討と新規治療法としての開拓（現在下記臨床試験を行っています）
- ２.新規分子標的薬剤による腫瘍増殖抑制効果とその機序の解明
- ３.骨軟部悪性腫瘍におけるミトコンドリアの機能解析と治療開発研究
- ４.悪性腫瘍の細胞生物学的増殖・転移メカニズムの解明とその制御
- ５.遺伝子治療の基礎および臨床研究
臨床試験
【炭酸ガス経皮吸収による悪性骨軟部腫瘍に対する安全性および抗腫瘍効果に関する探索的臨床研究】
私たちは炭酸ガス経皮吸収療法による投与局所の酸素化が悪性骨軟部腫瘍に対して抗腫瘍効果を生じることを基礎的に研究してきました。この炭酸ガス経皮吸収療法を悪性骨軟部腫瘍に臨床応用するために、現在本院（神戸大学医学部附属病院）で臨床試験をおこなっています。
参考URL：https://kobe-seikei.com/to-patients/orthopaedic-oncology/img/syuyo_4.pdf
【若年者に対する膝前十字靭帯再建術における移植腱の無作為比較試験 (ハムストリング腱と大腿四頭筋腱の比較)】
若年者に対する初回膝前十字靭帯再建術の術後2年での再手術率を大腿四頭筋腱とハムストリング腱で比較検討することを目的としています。さらに、スポーツ復帰率、患者立脚型膝機能評価、関節可動域と骨端線損傷の頻度を2つの移植腱間で比較検討しています。
骨軟部腫瘍について
骨軟部腫瘍とは、骨や軟部（四肢、頭頚部以外の体幹など）に発生した腫瘍性疾患の総称です。骨にできる「骨腫瘍」と、筋肉・神経・血管・脂肪などの軟部組織にできる「軟部腫瘍」があり、さらに骨や軟部組織そのものから発生した「原発性骨軟部腫瘍」と、がんが骨に転移して発生する「転移性骨腫瘍（がんの骨転移）」があります。
「原発性骨軟部腫瘍」として、良性のものには、骨軟骨腫、内軟骨腫、脂肪腫、神経鞘腫などがあります。悪性の骨軟部腫瘍は「骨軟部肉腫（にくしゅ）」とも言われ、骨肉腫、軟骨肉腫、脂肪肉腫、未分化多形肉腫、滑膜肉腫、平滑筋肉腫など多くの種類があります。内臓にできるがんと比べて発生頻度が非常に少ない「希少がん」です。病理組織が複雑かつ多岐におよぶことから、専門性の高い施設での診断・治療が必要不可欠です。
スタッフ
| 氏名 | 卒業年 | 専門資格・併任 |
|---|---|---|
| センター長 黒田 良祐 | 平成2年 |
【専門資格】 医学博士 日本整形外科学会専門医 日本整形外科学会認定スポーツ医 日本再生医療学会認定医 神戸製鋼コベルコスティーラーズ チームドクター オリックスバファローズ チームドクター ヴィッセル神戸 チームドクター INAC神戸レオネッサ チームドクター パナソニックパンサーズ チームドクター 兵庫県テニス協会 スポーツ医科学委員会 委員長 【併任】 神戸大学 大学院医学研究科外科系講座整形外科学 教授 |
| 診療責任医師 深瀬 直政 | 平成15年 |
【専門資格】 医学博士 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 日本整形外科学会認定 骨・軟部腫瘍医 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医 日本整形外科学会認定 スポーツ医 日本整形外科学会認定 リウマチ医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 日本リハビリテーション医学会 認定臨床医 【併任】 神戸大学生命・医学系医学域 特命助教 |
| 藤原 周一 | 平成23年 |
【専門資格】 医学博士 日本整形外科学会専門医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 【併任】 神戸大学医学部附属病院整形外科 医員 |
※当院では神戸大学医学部附属病院 整形外科スタッフと一緒に手術を行っています。