第38回 呼吸器内科

Interviewee 羽間 大祐 神戸大学大学院医学研究科 内科学講座・呼吸器内科学分野 助教

【学歴・職歴】
2010年 神戸大学医学部医学科 卒業
2010年 公益財団法人田附興風会医学研究所 北野病院 初期研修医
2012年 公益財団法人田附興風会医学研究所 北野病院 呼吸器内科 後期研修医
2015年 神戸大学医学部附属病院 呼吸器内科 医員
2020年 神戸大学大学院医学研究科 内科学講座 呼吸器内科学分野 特命助教
2021年 神戸大学大学院医学研究科 内科学講座 呼吸器内科学分野 助教

Interviewer 岡本 真理子 神戸大学医学部附属病院 呼吸器内科 医員

【学歴・職歴】
2016年 近畿大学医学部卒業
2016年 神戸大学医学部附属病院 初期研修医
2018年 社会医療法人愛仁会 高槻病院 呼吸器内科 後期研修医
2021年 社会医療法人愛仁会 高槻病院 呼吸器内科 医員
2022年 神戸大学医学部附属病院 呼吸器内科 医員

 

呼吸器内科ってどんなところ?

 

呼吸器内科ではどんな症例が経験できますか?

入院診療においては、肺癌や中皮腫、胸腺癌といった腫瘍性疾患の他、間質性肺炎、COPDなどを多く経験します。気管支喘息や非結核性抗酸菌症、睡眠時無呼吸症候群などは外来診療がメインですが、診断時や増悪時に入院されることもあります。血痰や胸水、呼吸不全の原因精査といった、入院時には病名がついていない症例を経験することも大変勉強になります。また、大学病院には多数の科が存在するため他科からのコンサルテーションも毎日多数あり、複雑な病態から学ぶことも多いです。

呼吸器内科での研修体制について教えて下さい

病棟担当は2チームに分かれており、いずれかのチームに配属されます。どちらのチームも主治医(教員)と数名の指導医(卒後5-7年目程度)から構成され、ものの考え方(検査計画、結果の解釈、診断、治療)や伝え方(カンファレンスでのプレゼンテーション、患者や家族への病状説明)、手技(胸腔穿刺、胸腔ドレーン、人工呼吸管理)などの指導を受けることができます。毎週火曜日の気管支鏡時は、他の教員や大学院生を含めた全員が集まり、その日に行われる全気管支鏡症例について議論した上で共通認識を持って手技に臨んでいます。オペレーターだけでは十分な手技を行うことはできず、チームとなって動くことの大切さを学ぶことができます。

市中病院の呼吸器内科と大学の呼吸器内科の違いはどんなところですか?

最新の知見に触れることができるだけでなく、数多くの臨床研究を通して、この先の治療の方向性や今注目されている点についても知ることができます。また、呼吸器外科・放射線科・病理診断科といった関連科が揃っているため疾患や病態に対するより深い理解が得られ、医師だけでなく看護師・薬剤師・栄養士・理学療法士・ソーシャルワーカーなどとの関わりの中で多職種連携の重要さも学ぶことができます。希望者には学会発表の指導も積極的に行っており、学ぶだけでなく発信する姿勢も身につけることができます。

最後に学生・研修医に一言お願いします。

呼吸器内科では、急性期から慢性期、終末期医療まで経験でき、抗がん薬・抗菌薬・吸入薬・ステロイド・オピオイドといった多種多様な薬剤の使用方法や、人工呼吸器などを用いた全身管理、気管支鏡や胸腔ドレーンといった手技、在宅酸素療法、緩和医療など幅広い知識や技術を習得することができます。「聴診に自信がない」「レントゲンの読影が苦手」「咳の患者さんの診かたがわからない」などちょっとしたことが入り口でも結構です。広くて深い呼吸器の世界にまずは触れてみませんか。

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