外来受診

てんかんセンターについて

ごあいさつ

けいれんや意識減損発作を主訴とする患者さんには、詳細な病歴聴取と脳波、超高磁場MRI検査などから、失神や脳卒中との鑑別を含めて診断を的確に行います。
てんかんと診断された場合には、病因・病型や併存疾患から、適切な抗てんかん薬を選択し治療を行います。

超高齢社会で増加している高齢発症のてんかんでは、原因疾患を精査し、薬剤調整を適切に行い発作の抑制をめざしています。薬剤抵抗性の難治の患者さんには、自己免疫性てんかんの可能性やてんかん外科手術の適応評価のために、必要に応じて入院いただき、長時間ビデオ脳波モニタリング、画像検査(MRI、FDG-PET)、心理検査や薬剤調整などを行います。けいれん重積や非けいれん性重積(意識障害の遷延化)の患者さんは、関連診療科と連携して、脳波モニタリングのもと、迅速に集学的な治療を行っています。

令和4年5月1日より神戸大学医学部附属病院てんかんセンターが開設されました。また、てんかん地域診療連携体制整備事業において兵庫県のてんかん支援拠点病院の指定を受けました。
当院では脳神経外科、小児科、精神科神経科と診療科横断的に診療を行っております。兵庫県の「てんかん診療の最後の砦」として、初発の発作、診断に苦慮する患者さんから、薬剤調整や薬剤抵抗性でてんかん外科手術が望まれる患者さんまで幅広く対応しますので、どうぞ本センターをご活用ください。

てんかんセンター長松本 理器

てんかんセンター長

本センターのご紹介

当センターでは、

  1. てんかん診断やてんかん外科術前評価の中核検査である長時間ビデオ脳波モニタリング検査(※1)の施行
  2. 最新の各種検査機器(※2)を駆使した包括的な診断と内科・外科治療(抗てんかん薬調整・てんかん外科手術)の実践
  3. 相談支援業務とてんかん患者と家族・医療従事者・関係機関職員に対する研修の実施を通じて、世界水準のてんかん診療と患者支援を推進してまいります。

註※1 専用の個室でビデオと脳波を同時に長時間(24時間以上)記録し、発作間欠期のてんかん波や発作時の発作症状や脳波変化を記録する検査です。 的確なてんかんの診断や、薬剤抵抗性(難治)てんかんの外科手術の術前評価にかかせない中核検査です。

註※2 外来脳波検査、長時間ビデオ脳波モニタリング検査、CT、3TMRI(含術中MRI)、PET-MRI、SPECT、各種神経心理検査など、診断から術前評価まで世界水準の検査機器で対応します。

当センターにおける診療の具体的な紹介や、てんかんをもつ患者さん・関係者の方々に有用な情報の提供、当センターの最新情報(市民公開講座の開催予定など)について、公式サイトやSNS(Facebook/YouTube)を通じて情報発信しています。
ぜひ、アクセスしてご確認ください。

てんかん外来の受診方法

  • 当院のてんかん外来は完全予約制となっております。
  • かかりつけ医の先生に、紹介状を用意していただいてください。紹介予約申込書にご希望の診療科を明記のうえ、傷病名や備考の欄に「てんかん外来希望」と記載していただければ、地域医療連携室にて、ご希望の診療科のてんかん外来受診を調整いたします。
  • 現在の担当医は以下のとおりです。
 
脳神経内科 十河 尾谷 的場 松本 十河
脳神経外科   篠山、藤本     篠山
小児科 永瀬 徳元、老川     永瀬、山口
精神科神経科       岡﨑、大塚 毛利

機器の紹介

脳波検査

通常の外来で行う脳波記録のほか、長時間ビデオ脳波モニタリング検査ではビデオと同時に夜間を含む長時間連続して脳波記録を行い、特に薬剤抵抗性てんかんの場合は普段起こる発作の映像と脳波を分析します。

2020年11月より本格始動した
▼長時間ビデオ脳波モニタリング(個室利用)

脳波検査

MRI

放射線による被ばくのない検査です。軟部組織や神経の抽出に優れており、造影剤を使わずに脳などの血管を抽出することもできます。

PET-MRI

日本にもまだ10数台しかない、PETとMRIが一体となったPET/MRI装置です。重ね合わせた画像の位置ずれが少なく、またMRIの優れたコントラストにより、診断能の高い画像を提供することができます。

PET-MRI

PET-MRI PET-MRI

治療内容

内科治療

病因・病型や併存疾患から、適切な抗てんかん薬を選択し発作の抑制をめざします。

(ケトン食)

外科的治療(切除、緩和手術)

薬剤抵抗性の難治の患者さんには、てんかん発作の焦点を切除する焦点切除術や、発作をできるだけ軽減するための緩和手術を行います。必要に応じて入院いただき、関連診療科が連携して集学的な治療を行います。

各診療科の役割分担

脳神経内科

長時間ビデオ脳波モニタリング検査、てんかん診療の相談支援・助言指導

脳神経外科

頭蓋内電極留置による焦点部位解析、てんかん外科手術(てんかん焦点切除術や脳粱離断術、迷走神経刺激療法など)

小児科

長時間ビデオ脳波モニタリング検査、遺伝子検査

精神科神経科

てんかん患者の精神症状の評価

てんかんセンター相談窓口

てんかんセンター相談窓口(電話相談)を開設しました。詳細はこちらをご覧ください。

患者さん向け資料

病院で説明に用いる冊子の一部を示します。てんかんの患者さん、ご家族、支援される方々にお役立ていただければ幸いです。
※内容は掲載時のものです。当院ホームページへの資料掲載の許諾をいただきました関係者各位に感謝申し上げます。