実施体制

神戸大学が推進する医療機器開発「日本型エコシステム」の
中核機能「共創型グローカルハブ」

神戸大学では、医療機器産業における日本の競争力強化と国際展開の加速に向け、「日本型エコシステム」の構築を推進しています。その中核をなすのが「共創型グローカルハブ(Co-creation Global-Local Hub)」という構想です。

この「共創型グローカルハブ」とは、大学・臨床現場・産業界・行政、そして社会実装の専門家を中心に多様なステークホルダーが一体となり、国内外の4極(日本、米国、欧州、オセアニア・アジア)を繋ぐネットワークを活用しながら、革新的な医療機器の社会実装を加速する統合拠点です。さらに本構想は、医療機器の開発成果を社会へ還元するだけでなく、プロセスそのものを教育資源と捉え、次世代の人材育成のフィールドとしても位置付けています。

神戸大学はこのハブ機能を通じて、医療現場のニーズと研究開発を有機的に結びつけ、戦略的かつ国際的な医療機器開発を持続的に生み出す仕組みの構築を目指しています。国内外の規制や市場動向を見据えながら、設計・試作から評価、薬事、事業化、そして海外展開に至るまでのプロセスに対応可能な支援体制を整備し、スタートアップや企業、研究者の挑戦を後押しし、日本発の医療機器イノベーションを着実に世界へと届ける体制づくりを進めていきます。

日本型エコシステムを主導する「共創型グローカルハブ」拠点

臨床現場と人材育成現場の融合、外部機関との連携により人材育成と医療機器開発を一体的に推進

神戸大学が推進する医療機器開発「日本型エコシステム」の中核機能「共創型グローカルハブ」

実施体制

神戸大学は、臨床現場として医学部附属病院及び分院の国際がん医療・研究センター(ICCRC)を有し、医療従事者と大学院医学研究科医療創成工学専攻・医学部医療創成工学科や全学組織の未来医工学研究開発センターの教職員が協働して医療機器開発と人材育成を主導しています。また、医学部附属病院 医工探索創成センターが統括する「医療機器社会実装支援ユニット」が「日本型エコシステム」を先導する共創型グローカルハブとしての機能の中核を担い、マーケティング・知財・薬事・保険・事業化等に精通したメンバーがハンズオン型の社会実装支援を実施しています。

また、産官学医が共創する試作・評価の場である「メドテックイノベーションセンター(MIC)」、大動物評価が可能な「統合型医療機器研究開発・創出拠点(MeDIP)」などの開発実践環境が整備されています。国内外のスタートアップ支援も重要な柱として位置づけており、(株)神戸大学イノベーション(KUI)、(株)神戸大学キャピタル(KUC)、神戸医療産業都市推進機構、さらには米国・欧州・アジア・オセアニアのインキュベーター、VC、アクセラレーターとも連携し、グローバル展開を目指す開発者への支援も行っています。あわせて、神戸医療産業都市推進機構をはじめ、神戸市立医療センター中央市民病院、兵庫県立こども病院などの医療機関や企業群とも連携し、神戸医療産業都市における産官学医連携の中核としても機能しています。さらに、AMED事業拠点等で構成される「医療機器開発連携推進ネットワーク・和(やわらぎ)」の参画機関間で協働し、情報交換しながら切磋琢磨することで、それぞれの活動のレベルアップを図ると共に、我が国の医療機器開発の基盤強化および医療機器創出の加速化を目指しています。

神戸大学における医療機器開発関連施設

神戸大学における医療機器開発関連施設

大学院医学研究科 メドテックイノベーションセンター(MIC)

メドテックイノベーションセンターでは、「スピード感のある医療機器開発」および「医療機器開発プロジェクトを教材とした実践的カリキュラムによる人材育成」の実施に向けて、産官学医が有機的に連携して初期開発を実践できる場を提供します。最先端工学機器や医療機器を備えた研究開発ラボや共用のメディカルデバイス工房、企業が入居可能なレンタルラボに加え、産官学医の多様な人材のための交流スペースを効果的に配置することで、総合知(地)としての機能性と価値を高めて持続的な医療機器の創出および創造的開発人材の輩出による医療機器産業の活性化を目指します。