2024.12|診療科
Interviewee 谷口 悠 神戸大学医学部附属病院 循環器内科 助教
職歴
2005年 広島大学卒業
2005年 神戸大学医学部附属病院、神戸赤十字病院:初期・後期研修
2010年 神戸大学大学院医学研究科(大学院生)
2014年 神戸赤十字病院 循環器内科 副部長
2015年8月 フランス国立肺高血圧センター (クリニカルフェロー:BPAプログラムの立ち上げ)
2018年4月 神戸大学大学院医学研究科 循環器内科学 特命助教
2021年5月 神戸大学医学部附属病院 循環器内科 助教
【所属学会】
日本循環器学会
日本内科学会
日本心血管インターベンション学会
日本肺高血圧・肺循環学会
日本心臓病学会
【資格等】
日本肺高血圧・肺循環学会評議員
日本内科学会 内科認定医 総合内科専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本循環器学会認定 BPA実施医・指導医
千葉大学呼吸器内科 特任助教
昭和大学循環器内科 兼任講師
広島大学循環器内科 非常勤医師
Interviewer 佃 美奈 神戸大学医学部附属病院 循環器内科 専攻医
職歴
2020年3月 神戸大学医学部医学科 卒業
2020年4月 淀川キリスト教病院 初期研修医
2022年4月 神戸大学医学部付属病院 循環器内科専攻医
2022年10月 淀川キリスト教病院 循環器内科専攻医
2023年10月 加古川中央市民病院 循環器内科専攻医
2024年10月 神戸大学医学部附属病院 循環器内科専攻医
循環器内科ってどのようなことをしているのですか?

循環器内科は、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、心不全、不整脈の患者さんの診療をしております。循環器内科は内科の中でも手技が多く、外科に近い要素があるかもしれません。虚血性心疾患に対するカテーテル治療(PCI)だけでなく、不整脈に対するアブレーション治療や心臓弁膜症に対するカテーテル治療も行います。救急疾患も、他の内科と比べると多いかもしれません。高齢化に伴って、心不全や虚血などの循環器疾患の患者さんは年々増加しています。循環器内科医は、高度な医療技術はもちろんのこと、一人ひとりの患者さんと向き合いながらその人にあった心不全のリスク管理など幅広い知識が必要です。
神戸大学の循環器内科の特色を教えてください。

神戸大学は兵庫県の循環器診療の「最後の砦」です。他の病院では対処できないような重症の患者さんの救命にあたります。また、肺高血圧症や先天性心疾患、重症心不全などの難病や希少疾患も神戸大学が責任をもって診療にあたっています。
診療の幅もどんどん広がってきています。具体的に言えば、冠動脈へのPCI治療だけではなく、大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療(TAVI)、僧帽弁閉鎖不全症に対するカテーテル治療(Mitla clip)、心房細動患者の脳梗塞の予防のためのカテーテル左心耳閉鎖(WATCHMAN)の症例も増えてきています。慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に対するカテーテル治療(BPA)も日本有数の規模で行っています。他院では対処できないような難治性不整脈に対するアブレーション治療も数多く行っています。
また、重症心不全患者さんの診療も神戸大学の使命です。埋め込み型補助人工心臓(VAD)の埋め込みや、心臓移植に向けての管理も神戸大学で行います。
診療の幅もどんどん広がってきています。具体的に言えば、冠動脈へのPCI治療だけではなく、大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療(TAVI)、僧帽弁閉鎖不全症に対するカテーテル治療(Mitla clip)、心房細動患者の脳梗塞の予防のためのカテーテル左心耳閉鎖(WATCHMAN)の症例も増えてきています。慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に対するカテーテル治療(BPA)も日本有数の規模で行っています。他院では対処できないような難治性不整脈に対するアブレーション治療も数多く行っています。
また、重症心不全患者さんの診療も神戸大学の使命です。埋め込み型補助人工心臓(VAD)の埋め込みや、心臓移植に向けての管理も神戸大学で行います。
循環器内科は救急が多く忙しいイメージがありますが。

確かに、他の内科診療科と比べると緊急対応が必要な患者さんが多いかもしれません。救急搬送された循環器内科疾患の患者さんを、迅速に治療行い救命するという仕事は大変やりがいがあります。人の命を預かるというのは責任が重い仕事ですが、医師の使命感だけで成り立つわけではありません。どの診療科でもそうですが、大学病院として医師の働き方改革に取り組んでおります。例えば、当科ではチーム制で病棟を担当し、一人に負担がかからないようにしています。女性の医師に限らず、男性も育休を取りやすくし、子育て世代の先生も無理なく働けるような環境を心がけております。循環器内科の先生方には、ワークライフバランスの観点から仕事と私生活を充実させてもらいたいと思っています。
先生はどうして循環器内科を選んだのですか?

もう20年も前のことなのであまり覚えていないのですが、私自身、学生時代は心電図が苦手だったと記憶しています(今でもホント苦手です)。当時、循環器内科の先生が「心臓という握りこぶしほどの臓器が人間の生命のエンジン」と言われまして、循環器内科という診療科に大きな魅力を感じました。循環器内科に入局してからも、この20年の間に、低侵襲のカテーテル治療が次々と登場し、不治の病であった肺高血圧症も治療できるようになり、重症心不全の人も埋め込み型補助人工心臓(VAD)を装着して社会復帰できるようになりました。進化する治療方法をおいかけながら日々勉強ですが、循環器内科を選んで後悔したことはありません。
研修医の先生や学生さんに対するメッセージをお願いします。

私は神戸大学で初期研修をしました。先輩が自分で心エコーをしたりして診療していく姿をみて、早く一人前になりたいと思いました。目指す医師の姿を思い描くことは今の時点ではなかなか難しいかもしれません。目の前の患者さんに向き合いながら日々診療していると、ふと興味を惹かれる分野に出会います。そして、とても尊敬できる先生に出会います。やりたいことというのは結構偶然に出会うものかもしれませんが、それがライフワークとなっていきます。我々、循環器内科の診療チームが、皆さんの今後の長き医師生活を応援することができればと思います。