第78回 感染症内科

 

Interviewee 村上 義郎 神戸大学医学部附属病院 感染症内科 医員/日本消化器病学会認定消化器病専門医/日本内科学会総合内科専門医

 

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職歴

2008年 福井医科大学医学部医学科 卒業
2008年 名古屋第一赤十字病院 初期研修医
2010年 名古屋第一赤十字病院 消化器内科 後期研修医
2014年 神戸大学医学部附属病院 感染症内科 医員
2017年 府中病院 総合診療センター 医長/感染制御室 室長
2021年 神戸大学医学部附属病院 感染症内科 医員

Interviewer 溝辺 達季 神戸大学医学部附属病院 感染症内科 医員

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職歴

2020年 長崎大学医学部医学科 卒業
2020年 国立病院機構関門医療センター 初期研修医
2022年 堺市立総合医療センター 内科専攻医
2023年 市立奈良病院 専攻医
2023年 近畿中央病院 内科レジデント
2024年 堺市立総合医療センター 内科専攻医
2025年 神戸大学医学部附属病院 感染症内科 医員

代替文字
溝辺先生
感染症内科は普段どのようなことをしているのですか?
 
代替文字
村上先生
感染症内科の主な業務は他の診療科からの症例相談(コンサルテーション)に対応することです。コンサルテーションの内容は背景疾患を含めて多岐にわたります。ほぼ全診療科から治療方針から発熱の原因、感染対策や予防など様々な内容の相談をしていただけています。
主治医として入院患者を受け持つことは少なく、HIV感染症や神経梅毒および眼梅毒、渡航後発熱など限られた疾患の入院加療を担当することがあるだけです。実際感染症内科で入院される患者さんは毎月0~1名程度でしょうか。
他の病院では感染制御に関わることが多い診療科ですが、神戸大学医学部附属病院の特色として、感染制御部と感染症内科が独立して存在するため、感染制御業務は感染制御部に一任しています。ただお互いサポートしあう関係のため、適宜感染症内科が感染制御業務に関わることがあります。
 
代替文字
溝辺先生
研修医は何を学ぶことができますか?
 
代替文字
村上先生
院内感染症と呼ばれるような疾患(院内肺炎/人工呼吸器関連肺炎やカテーテル関連血流感染症、膀胱留置カテーテル関連尿路感染症、創部感染症)はほぼ経験することができます。ただClostridioides difficile感染症を経験することはかなり減ってきている印象があります。当院の診療科の皆様の抗菌薬適正使用の意識が他の医療機関に比べて良好な影響かもしれません。
ほぼ全ての診療科から相談いただけていますが、外科系診療科から相談いただくことが多く、感染性心内膜炎や感染性動脈瘤、化膿性関節炎、縦隔炎、人工物感染など様々な難治感染症を経験することもできるため、今後外科系の診療科を志している研修医の皆様も学んでもらえる点は多いと思います。
 
代替文字
溝辺先生
研修医の一日のスケジュールを教えてください。
 
代替文字
村上先生
8時30分頃から回診などの診療を開始しています。併診させていただいている患者さんの回診をしたうえで、午後1時30分ごろからカンファレンスを毎日行います。そこで患者さんたちの問題点とその原因の共有と検討をしています。その結果を基に各診療科の先生方と治療方針の相談をしていきます。ただ敗血症などの早急な対応が必要な症例を相談いただいた場合は、カンファレンスを待たずにお返事するなどメリハリのある対応を心がけています。終業時間は17時15分です。終業時間以降に研修医が業務に携わることがあります。
 
代替文字
溝辺先生
感染症内科での後期研修ではどのようなことができますか?また終了後のキャリアプランを選ぶことができますか?
 
 
代替文字
村上先生
感染症内科の後期研修では上記の院内コンサルト業務の他に、外来診療や感染制御業務に携わっていただきます。感染症内科の後期研修は、神戸大学医学部附属病院の内科研修プログラムだけではなく、専門医研修を終えたのちに感染症フェローシッププログラムを受けていただくことも可能です。
当科は一般的な医局制度がないため、医局派遣といったものはありません。後期研修終了後は感染症内科や感染制御部の立ち上げをしたり、元々の診療科に復帰されたりしています。他にも医務官に就かれる方や熱帯医学や渡航医学の追加研修を受ける方などもいらっしゃいます。終了後の進路に悩まれた場合は教授を含めてサポートは手厚く行っています。
 
 

 


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