第79回 放射線診断・IVR科

 

Interviewee 西内健太郎 神戸大学医学部附属病院 放射線診断・IVR科 医員

 

サンプルイメージ

職歴

2019年 神戸大学医学部医学科 卒業
2019年 兵庫県立淡路医療センター 臨床研修
2021年 兵庫県立淡路医療センター 放射線科
2023年 神戸大学医学部附属病院 放射線科
2024年 神戸大学附属病院 研修医ミーティングベストレクチャー賞受賞

Interviewer 村上綾香 神戸大学医学部附属病院 放射線診断・IVR科 専攻医

サンプルイメージ

職歴

2023年 鳥取大学医学部医学科 卒業
2023年 兵庫県立淡路医療センター 臨床研修
2025年 神戸大学医学部附属病院 放射線科
 

代替文字
村上先生
神戸大学放射線診断•IVR科の専攻医研修の強みはなんでしょうか?
 
代替文字
西内先生
僕たちの科は、全身ほぼすべての臓器で多彩な疾患を幅広く診断できるのが強みですね。特に神戸大学は医局の規模が大きく、各領域に精通したエキスパートが在籍しています。IVRについても全国指折りの規模で多様な症例を経験することができ、大血管のステントグラフト留置まで行うことができますよ!大学病院だけでなく関連病院にも多数の専門医が在籍しており、市中病院でもハイレベルな診療を行っています。
 
代替文字
村上先生
専攻医期間を大学で過ごす一番のメリットはなんでしょうか?
代替文字
西内先生
僕は関連病院から大学に帰ってきた人間ですが、まず感じたのは症例が多い!難しい!ということですね。大学ではそれぞれの診療科で難しい症例が集まってくるので、大学で読影をこなしていたら自ずと画像診断のレベルも上がってくるんですよ。
また、大学では教育体制も整っているのがありがたいポイントですね。専攻医は2か月ごとにいろいろなグループをローテーションするので、分野ごとの必須知識や最先端の情報を身につけることができます。定期的な勉強会もあるので、独学では限界のある知識の習得や整理に非常に役立ちました。
 
代替文字
村上先生
放射線科の専攻医の研修には具体的にどのような内容が含まれていますか?
 
 
代替文字
西内先生
普段はCT、MRI、核医学、単純X線の読影を幅広く行います。検査室では検査内容の管理や造影剤アレルギーの対応も学びます。IVRの担当日はIVRに入り、術者の補助や手技によっては第一手術者として手技を行います。ローテするグループによっては、他科とのカンファレンスにおいて画像診断のプレゼンを行うこともあります。放射線科はどの病院でもカンファで画像を読む機会が多くあるので、将来のためにいい訓練になると思います。
また、出られるときは勉強会に参加したり、学会発表の指導もしてもらえます。
 
代替文字
村上先生
子育てなどのライフイベントとの両立は可能ですか?
 
代替文字
西内先生
大学でも市中病院でも、子育てをしながら仕事している人は男女とも多く、産休育休もみんな積極的にとっている印象です。うちの科は日中は結構忙しいのですが、オンコールや当直以外の日は時間外に呼ばれることはないので、オンオフのメリハリがしっかりした生活を送れますよ!
学会・研究会もオンライン参加・オンデマンド配信が進んでおり、学会出張することなく、自宅から最新の知見に触れることが容易なのも当科の特徴です。
 
代替文字
村上先生
率直に言いますと、放射線診断•IVR科を志望にあげると、他の科の先生から、いつかAIに取って代わられるよ、とネガティブな反応をいただくことも多々ありまして、、実際にその側面は放射線科の先生方はどのようにお考えでしょうか?
 
 
代替文字
西内先生
AIは放射線科かそれ以外かで見方が180度変わるものだと思います。僕らからすると、AIは「仕事を奪う敵」ではなく「仕事を助けてくれる味方」なんです!
AI研究でノーベル賞を受賞したジェフリー・ヒントンが2016年、「AIは5年以内に放射線科医が行えるすべての作業を実行できるようになる」と予測しましたが、2025年には「放射線科医を置き換えるのは誤りであり、医療画像の解釈のほとんどはAIと放射線科医の組み合わせによって行われ、精度が向上するだけでなく、放射線科医の効率も大幅に向上するだろう」と述べています。
最近は機器や技術の発展で読影画像の数が昔より段違いに多くなり、読影医の負担も増えてきています。そこで膨大な画像の中から病変を教えてくれるAIがあれば、仕事がかなり捗りますよね?現に大学にはAIグループがあり、画像診断AIについての研究が日々行われています。ただし放射線科医に取って代わるまでにはまだまだハードルが多いようで、AIは仕事の質と速さを向上するツールとして共存できるものだと思っています。
AIはまだまだ未開拓の分野ですので、興味のある先生はぜひうちで研究してください!
  

CONTENTS

HOME