第52回 肝胆膵外科

2023.07|診療科

Interviewee  石田 潤  神戸大学医学部附属病院 肝胆膵外科 特定助教

 

学歴・職歴

【学歴】
2008年 神戸大学医学部医学科卒業
2012年 神戸大学大学院医学研究科博士課程
2017年 神戸大学医学博士

【職歴】
2008年 神戸百年記念病院 研修医
2010年 神戸大学医学部附属病院 肝胆膵外科 医員
2011年 大阪府済生会中津病院 外科 専攻医
2012年 神戸大学医学部附属病院 肝胆膵外科 医員
2016年 国立病院機構神戸医療センター 外科 医員
2018年 神戸大学医学部附属病院 肝胆膵外科 医員
2021年 University of Colorado Anschutz Medical Campus, Research fellow
2022年 神戸大学医学部附属病院 肝胆膵外科 医員
2023年 神戸大学医学部附属病院 肝胆膵外科 特定助教

Interviewer  大竹 郁斗  神戸大学医学部附属病院 臨床研修医

学歴・職歴

【学歴】
2022年 愛媛大学医学部医学科卒業

【職歴】
2022年 神戸大学医学部附属病院 臨床研修医

代替文字
大竹先生
神戸大学の肝胆膵外科はどのような診療科ですか?
 
代替文字
石田先生
肝胆膵外科では肝臓、胆道、膵臓の良性・悪性疾患に対する外科治療・移植治療を中心に診療を行っています。当科には、福本巧教授以下37名の医師が所属し臨床や研究に取り組んでいます。若い大学院生も多数入局しており活気に満ちているのが特徴です。近年では腹腔鏡手術、ロボット支援下手術(Da Vinci)を積極的に導入し、年間450例程度の肝胆膵疾患の手術を施行しており、症例数・成績ともに全国的にトップクラスです。当科では肝胆膵疾患に対する手術手技の研鑽につとめるだけでなく、独自の外科先端治療技術を開発してきました。当科で開発した経皮的肝灌流化学療法や体内空間可変粒子線治療などがすでに臨床応用されており、全国の医療機関から多数の患者様が紹介されています。また当科では外科手術のみならず、消化器内科や放射線科と定期的にカンファレンスを行うことで、患者様にとって最適の治療を選択するように心がけています。
 
 
代替文字
大竹先生
肝胆膵外科ではどのような研修ができますか?
 
代替文字
石田先生
当科は、肝臓グループ・肝移植グループ・胆道グループ・膵臓グループに分かれ、さらにグループ内で3~4人のチームを組み主治医団として専門性の高い診療を行っています。研修医の先生には、4つのグループのいずれかに所属してもらい、上級医の指導により身体所見の取り方、画像診断、結紮・縫合、術後管理など、一般外科医として必要な基礎を習得できるようなプログラムを組んでいます。神戸大学肝胆膵外科でしか経験できないような、高難度手術が必要な疾患や、肝臓・膵臓移植の症例も多数あり、グループの垣根をこえて、幅広く経験することができます。専門性の高い大学病院ならではの高いレベルでのチーム医療を通じて、多くの事を学んでもらえると確信しています。また、研究や学会、論文発表に関しても精力的に取り組んでおり、研修医の先生にも学会発表や論文作成の指導を積極的に行っています。
 
代替文字
大竹先生
初期研修修了後のキャリアプランについて教えてください。
 
代替文字
石田先生
初期研修修了後は、新外科専門医制度に対応した研修プログラムへの参加をおすすめします。外科専門医取得のためには消化器、乳腺、内分泌、呼吸器、心臓大血管、小児など様々な領域の手術経験が必要となります。プログラムでは、専門医取得に必要な症例の経験ができるよう、3年間かけて関連施設での研修を行っていきます。詳しくはホームページを参考にしてください(https://www.med.kobe-u.ac.jp/sdomon/newsystem/)。また、当科では外科専門医取得後にサブスペシャリティとしての消化器外科専門医、次のステップとしての肝胆膵外科高度技能医や内視鏡外科技術認定医の取得を目指す上で個人の希望を最大限尊重しキャリアアップできる環境が整っています。
 
代替文字
大竹先生
さいごに一言メッセージを。
代替文字
石田先生
肝胆膵外科領域は専門性が高く、最初のうちはなかなか興味がわかない方も多いかもしれません。しかし病態や手術などすべてが非常に奥深く、いつまでたっても山頂が見えない登山のような難しさと、その何倍もの面白さがあります。困難な手術を乗り越えたとき、患者さんが元気に退院されていくとき、外科医になった喜びを必ず感じることができます。肝胆膵疾患に対する挑戦、自分自身に対する挑戦はいつまでも終わることがありません。肝胆膵疾患最後の砦として強い気概と情熱を持って診療に取り組んでいます。一人でも多くの先生方とともに働ける日を楽しみにしています。

 
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