第54回 乳腺内分泌外科

2023.08|診療科

Interviewee 國久智成 神戸大学医学部附属病院 乳腺内分泌外科 診療科長

 

職歴

2001年 神戸大学医学部卒業
2001-2003年 神戸市立中央市民病院 初期研修医
2003年より神戸大学外科の関連施設で外科医としてトレーニングを積む
2010年より乳腺外科を専門として勤務
2018年より神戸大学医学部附属病院に戻り、乳腺内分泌外科学の診療科長、遺伝子診療部の副部長を務める

Interviewer 川端知世 神戸大学医学部附属病院 乳腺内分泌外科 専攻医

職歴

2021年 高知医大を卒業
2021-2023年 北播磨総合医療センターで初期研修医として勤務
2023年4月より神戸大学乳腺内分泌外科にて専攻医として勤務     

代替文字
川端先生
神戸大学の乳腺内分泌外科はどんな医局ですか?
 
代替文字
國久先生
当科の診療は主に乳癌の診断、治療を行っています。本院とICCRCを合わせて年間約200例の乳癌手術を行っています。治療は手術だけではなく、術後のホルモン療法、抗がん剤治療、ターミナルケアまで色々な経験を積むことができます。治療を通じて、患者さんに寄り添うことがどういうことか、何のために治療を行なっていくのか、全人医療的なアプローチで患者さんと接することの意義を感じてもらうことができると思います。また大学院生が臨床に即した研究を行なっていることを身近に見ることができるので、研究や科学的思考などに触れる機会もあります。これらの臨床や研究を通して次世代を担っていく医学部生、研修医、専攻医の教育に力を入れています。
 
代替文字
川端先生
大学病院ではどういう研修を受けることができますか?
 
代替文字
國久先生
大学病院に紹介をいただく患者さんなので、様々な併存疾患を持っている方も多く、外科の研修のみでなく内科的な診療に役立つような患者さんの周術期管理、抗癌剤などの薬物療法などを経験できます。研修医の先生には問診や外来での検査、処置など大いに活躍してもらいます。また手術の時には皮膚縫合や糸結びなど積極的に手技をやってもらうことができます。画像診断のレクチャー、プレゼンの練習など医者として必要な基礎スキルを身につけてもらえるよう、研修医にとって有意義な教育を行うように心がけています。
 
 
代替文字
川端先生
乳腺外科のキャリアプランはどのようなものですか?
 
代替文字
國久先生
外科専門医の取得後に乳腺専門医をとることをまず目標とします。大学院進学(育児中でもOK)、国内外への留学も積極的に勧めています。当科は育児中の女性医師も多く、妊娠・出産・育児などで労働環境が変わってしまうことも多いです。家庭環境、住環境によっても働き方は人によって様々です。多くの先輩がいますので、ロールモデルとなる先輩方にも相談し、無理のない環境を整備して、かつやり甲斐を感じて働き続ける方法を一緒に考えていきます。
 
 
代替文字
川端先生
科の雰囲気はどうですか?
 
代替文字
國久先生
みんな仲良くやっていますが、やはり子育てをしながら働いている医師も多いので、みんなで協力して、お互いに感謝の気持ちを忘れないように働いていると思います。女性医師だけでなく、男性医師も同様に仕事だけでなく家庭やプライベートも両方大切にして気持ちよく働けるような環境作りを心がけています。
 
 
代替文字
川端先生
学生さんや、研修医の先生に向けて最後にメッセージをお願いします。
 
代替文字
國久先生
乳癌は女性のがんの中では罹患率第1位で、全女性のうち約1割の方が発症します。きっと何科で働いていても乳癌の患者さんに接することは出てくると思いますし、身近な人が乳癌に罹患することも珍しくはないでしょう。研修医の時に、乳癌の診療を通じてがん診療とはどういうものかを学んでおくことは、将来必ず役に立つと思います。乳癌の患者さんは増え続けていることもあり、乳腺外科医の需要は非常に高いです。これから一緒に働ける仲間を歓迎しています。
 

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