第59回 脳神経外科

2024.01|診療科

Interviewee 長嶋宏明(ながしまひろあき) 神戸大学医学部附属病院 脳神経外科学分野 助教 診療科長補佐

 

サンプルイメージ

職歴

平成19年(2007年)3月 富山大学(旧富山医科薬科大学)医学部 卒業
平成19年(2007年)4月 神戸大学医学部付属病院 初期研修医
平成21年(2009年)4月 公立豊岡病院 脳神経外科専攻医
平成22年(2010年)4月 慈恵会新須磨病院 脳神経外科専攻医
平成22年(2010年)10月兵庫県立こども病院 脳神経外科専攻医
平成23年(2011年)4月 西脇市立西脇病院 脳神経外科 医員
平成23年(2011年)10月 兵庫県立加古川医療センター 脳神経外科 医員
平成24年(2012年)4月 神戸大学医学部 脳神経外科 大学院
平成28年(2016年)9月 神戸赤十字病院・兵庫県災害医療センター 脳神経外科 医員
平成29年(2017年)4月 兵庫県立加古川医療センター 脳神経外科 医長
平成30年(2018年)4月 米国マサチューセッツ総合病院(ハーバード医科大学)脳神経外科 博士研究員
令和2年(2020年)9月 神戸大学医学部医学研究科外科学講座 脳神経外科学分野 医員
令和3年(2021年)1月 同 助教
【資格】
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中学会専門医
日本小児神経外科学会認定医
日本脳神経外傷学会認定専門医・指導医
日本神経内視鏡学会技術認定医
がん治療認定医
【学位】
博士(医学)

Interviewer 後藤大輝(ごとうひろき) 神戸大学医学部附属病院 脳神経外科学 医員

サンプルイメージ

職歴

令和2年(2020年)3月 神戸大学医学部 卒業
令和2年(2020年)4月 神戸赤十字病院・兵庫県災害医療センター 初期研修医
令和4年(2022年)4月 同 脳神経外科 脳神経外科専攻医
令和5年(2023年)4月 神戸大学医学部付属病院 脳神経外科専攻医
【所属学会】
日本脳神経外科学会
日本脳神経血管内治療学会

代替文字
後藤先生
脳神経外科ってどんなところですか?
 
代替文字
長嶋先生
脳神経外科は基本診療科の一つであり、脳や脊髄に関連する疾患や障害の診断と治療を専門とします。具体的には、脳腫瘍、脳血管障害、頭部外傷、脊椎・脊髄疾患、先天奇形、機能的疾患(てんかん、三叉神経痛、顔面けいれん、パーキンソン病)など多岐にわたる疾患を扱います。また患者さんの年齢は新生児から高齢者に至るまで、幅広い年齢層が対象となります。脳神経外科の診療は問診、神経診察から始まり、画像検査(CT、MR、脳血管撮影検査)を読影し、治療戦略を考えます。手術を行う場合は開頭手術、血管内手術、神経内視鏡手術などの中からより安全な方法を選択し、神経モニタリングや術中ナビゲーションシステム、術中MRIなど最先端のモダリティーを駆使して治療を行います。脳神経「外科」といっても手術だけではなく、病気の種類によっては投薬による内科的治療、放射線治療、化学治療も行います。脳神経外科は、救命救急医療においても重要ですが、慢性期管理、リハビリテーションなど広い範囲をカバーしています。
 
代替文字
後藤先生
脳神経外科って忙しくて大変そうなイメージがあるのですが、どうですか?
 
代替文字
長嶋先生
脳神経外科というと、「緊急手術が多い」、「手術が長い」など大変そうなイメージが多いかもしれません。確かに生命に関わる非常に厳しい状況に直面することがあり、大変な時もあります。しかし、脳神経外科が特別大変というわけではないと思います。昔は長時間手術が多々あったようですが、手術アプローチの確立や、手術顕微鏡や血管内治療機器、その他のデバイスの発達により、手術時間は短縮されてきています。より安全で低侵襲な手術が行えるようになってきたので、術後も泊まり込むようなことはなくなっています。また、チーム制の導入などで働き方も改善されてきています。最近ではワークライフバランスも重要視される傾向にあります。
 
 
代替文字
後藤先生
脳神経外科の魅力はなんですか?
 
代替文字
長嶋先生
脳、脊髄は生命に関わる臓器であり、ひとたび障害を受けると重篤な神経症状を呈します。そのような重篤な神経症状を呈したり、生命の危機に瀕した患者さんでも治療により症状を改善させたり、社会復帰させることができたりします。また、脳神経外科学は学問としても非常に奥が深くおもしろい分野です。神経解剖学、腫瘍学、神経放射線診断学、電気生理学など多くの分野で日々新しい発見が得られています。そのため、一生の仕事としてそのやり甲斐は測り知れません。
 
 
代替文字
後藤先生
神戸大学脳神経外科のキャリアプランを教えてください。
 
代替文字
長嶋先生
初期研修後、大学病院を基幹とする脳神経外科専門医プログラムに入り、大学病院と連携病院での研修を4年積むことで脳神経外科専門医試験を受けることが出来ます。専門医までは脳神経外科のすべての領域を幅広く学びます。脳神経外科では脳腫瘍、脳血管障害、てんかん、脊椎脊髄疾患、小児脳神経疾患などと多くの治療対象疾患があり、いずれも脳神経外科専門医認定制度の対象となっています。本プログラムでは対象となる各領域をすべて経験が積むことができます。神戸大学のプログラムの最大の特徴は関連病院の豊富さです。大学病院では脳腫瘍手術が多く、小児例については兵庫県立こども病院、脊髄脊椎疾患は新須磨病院での充実した研修が可能です。多くの連携施設では、脳血管障害や外傷を中心とした一般的な脳神経外科疾患を広く経験することができます。一般的な脳神経外科専門医試験合格率は70-80%程度ですが、最近神戸大学プログラムで研修した先生方の専門医試験合格率は100%となっています。専門医を取得したのちは、より専門性を高めるためサブスペシャリティー専門医資格(脳血管内治療専門医など)の取得を目指すことが多いです。また大学院に進学して研究を行い、博士号を取得することも可能です。希望者には国内留学や海外留学といったキャリアの選択肢があります。このように脳神経外科の研修内容は幅広いので、ぜひ自分にあったキャリアプランを選んでもらえればと思います。
 
代替文字
後藤先生
医局の雰囲気やアピールポイントを教えてください。
 
代替文字
長嶋先生
脳神経外科というと、少しピリピリした怖いイメージもあるかもしれません。しかし神戸大学脳神経外科は、若手、中堅の先生のみならずベテランの先生方でも親しみやすい先生が多く、とても風通しのいい医局だと思います。また古くから海外に門戸を開いた神戸港の影響でしょうか、様々な出身大学の先生が在籍しているのは当科の特徴です。臨床だけではなく、悪性脳腫瘍をはじめとした臨床研究、基礎研究にも力を入れていることもアピールポイントです。
脳神経外科に興味がある方はぜひ当科の研修にご参加ください。一緒に働けることを心より楽しみにしています。
  

診療科


CONTENTS

HOME