第63回 産科婦人科

2024.|診療科

Interviewee  寺井 義人 神戸大学医学部産科婦人科学分野婦人科先端医療学部門 特命教授

 

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職歴

平成4年3月 福井大学医学部 卒業
平成10年4月 東北大学加齢医学研究所腫瘍循環分野に国内留学
平成16年10月 米国コロラド州立大学病理学教室留学
平成18年6月 大阪医科大学 講師(産婦人科学教室)
平成26年7月 大阪医科大学准教授(産婦人科学教室)、産科・生殖医学科科長
平成30年12月~神戸大学医学部産科婦人科学分野婦人科先端医療学部門 特命教授
現在に至る。
【所属学会等】
日本婦人科腫瘍学会(理事)
日本産科婦人科内視鏡学会(理事)
日本産婦人科手術学会(理事)
日本婦人科ロボット手術学会(理事)
日本臨床細胞学会〈評議員〉
日本内視鏡外科学会〈評議員〉
日本産婦人科乳癌学会(評議員)
日本癌治療学会、日本癌学会
【資格・免許等】
日本産科婦人科学会専門医・指導医
日本婦人科腫瘍学会専門医・指導医
日本がん治療認定医
日本臨床細胞学会細胞診専門医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医

Interviewer 竹林綾香   神戸大学医学部附属病院 産科婦人科専攻医

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職歴

2022年3月 神戸大学医学部医学科卒業
2022年4月 加古川中央市民病院 
2024年4月 神戸大学医学部附属病院

代替文字
竹林先生
神戸大学ではどのような患者を診ていますか?
 
代替文字
寺井先生
産婦人科は周産期、腫瘍、生殖、女性ヘルスケアの4つの分野を持つ幅広い領域を診る診療科です。当院の周産期分野では、総合周産期母子医療センターでありハイリスク症例が集まってきます。具体的には前置胎盤や癒着胎盤、22週以降の切迫早産症例、双胎妊娠、妊娠高血圧症候群などの合併症妊娠などがあります。また、精神疾患を合併している患者を診ることができる数少ない施設でもあります。近隣の1次2次施設では対応困難な産後の大出血など周産期救急にも当院に多くの患者が搬送され、最後の砦として輸血やカテーテルを使った血管内治療、開腹手術などの高度な救命処置を行っております。また当院は不育症を専門に扱う全国でも数少ない施設でもあり、また子宮形態異常などに対する造腟術など希少症例にも対応しております。
 婦人科分野では当院には数多くの悪性疾患症例や希少症例が集まるのが特徴です。子宮体癌、子宮頸癌、卵巣癌を中心にあらゆる婦人科悪性疾患を経験することが出来ます。手術は腹腔鏡・ロボット手術を中心に先進的な治療を行っており、兵庫県内で最も多くの悪性腫瘍に対する腹腔鏡・ロボット支援下手術を実施しているとともに、良性腫瘍に対する腹腔鏡・ロボット手術も行っており、技術認定医などの取得は確実にできる体制をとっております。さらに、抗がん剤治療、分子標的薬、免疫治療や放射線治療など最新の悪性腫瘍治療を経験することが出来ます。また、子宮脱に対するロボット支援下手術も導入していて、婦人科腫瘍だけでなく女性ヘルスの分野も診れるのが特徴です。
 
代替文字竹林先生
キャリアプランはどうですか?
 
代替文字寺井先生
1年目は大学、2年目3年目は連携施設での研修となります。
大学では、産科、婦人科をローテーションする形で研修します。大学で産婦人科医の基礎を固めた上で、2年目以降は2箇所の関連教育病院で1年ずつ、計3年の専門研修で専門医を取得できるようにと考えています。当科の関連教育病院は県立病院を中心に地域医療や周産期専門のこども病院、兵庫県立がんセンターも含まれ、大学と市中病院で専門医取得に必要な症例を満遍なく経験できます。近年、女性医師の入局が増えており、専門研修中に妊娠、出産も珍しくありませんので、それぞれの働き方に応じて研修の仕方など適宜調整して、個々の先生のライフステージに合わせた研修プランを考えて提案しております。また、県の養成医師の方も我々の研修プログラムに参加することが出来、実際に多くの先生達が大学で研修をしてきています。その場合、最初3年間は県の人事により異動し、4年目に大学で研修した後専門医を取得して頂く形になります。皆さんとともに兵庫県の産科婦人科医療を盛り上げていきましょう。
くわしくはホームページ(https://www.med.kobe-u.ac.jp/obgyn/staff.html)をご参照下さい。教室の紹介ビデオも掲載していますのでご覧頂ければと思います。
 
 
代替文字
竹林先生
出産や育児は両立できますか?
 
代替文字
寺井先生
産科婦人科は女性医師が多いのが特徴で、育児をしながら働いている女性医師も多いです。職場のサポートとして神戸大学の院内保育は、生後42週から受け入れ可能なので、産後早期に復帰することができたという新米お母さんも居ます。また、延長保育も可能(最長で朝7時半から夜8時まで)なので、手術で遅くなりそうな日も安心です。教室のサポートですが 担当医制ではなくチーム診療をしているので、平日日中の授乳や休日回診などの負担を軽減したりしています。産休後の復帰の仕方も個別に対応しており、時短勤務や外来診療のみ、当直免除などのその人にあった働き方ができます。家族のサポートも重要ですが、我々も多くの女性医師が働きやすいようにサポートしていきます。また最近は女性医師だけではなく男性医師も育児休暇を取得する医師もいます。出産育児に関して教室として良い環境を整えています。
 
 
代替文字
キャプション
最後にメッセージをお願いします。
 
代替文字
寺井先生
産科婦人科領域は腫瘍・周産期・生殖医療・ヘルスケアの広い領域をカバーする診療科で、自分に最もふさわしい診療分野を選択することができます。産婦人科は激務と聞くかもしれませんが、毎朝のカンファレンスで患者さん全体のチェックとチーム制で患者さんに対応するとともに当直明けは必ず半休で休息を必ず取る体制を既に確立しておりますので、無理のない働き方の中で充実した研修をすることが出来ると思います。医局の先生達はフレンドリーで学年関係なくよく飲み、よく遊び、よく学んでいます。ぜひ我々と一緒に女性の様々なライフステージをトータルにサポートする産婦人科医専門医を目指しましょう。
  

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