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For Researcher

KOBE Univ. Hosp. CTRC for Researcher

研究分類

研究分類の詳細

研究の分類について詳細を示します

1:介入研究 2:侵襲を伴う研究 3:必ずしも倫理審査が必要ではないもの

1:介入研究

介入の定義

研究目的で、人の健康に関する様々な事象に影響を与える要因(健康の保持増進につながる行動及び医療における傷病の予防、 診断又は治療のための投薬、検査等を含む。)の有無又は程度を制御する行為(通常の診療を超える医療行為であって、研究目的で実施するものを含む。)をいう。

介入例

  • 通常の診療を超える医療行為であって研究目的で実施するもの
    未承認医薬品(体外診断医薬品を含む)、未承認医療機器、適応外使用医薬品、適応外使用医療機器、新規医療技術による医療行為のうち、臨床研究法(平成29年法律第16号)第2条第2項に規定する特定臨床研究に該当しないもの
  • 割付あり(シングルアームで特定の治療・予防等を行う場合も含む)
    医薬品、医療機器、手術、放射線、看護ケア、指導、食事療法、作業療法など
  • 研究開始前の治療方法を研究目的で一定期間継続し、他の治療方法の選択を制約

2:侵襲を伴う研究

侵襲の定義

研究目的で行われる、穿刺、切開、薬物投与、放射線照射、心的外傷に触れる質問等によって、研究対象者の身体又は精神に傷害又は負担が生じることをいう。

軽微な侵襲の定義

侵襲のうち、研究対象者の身体及び精神に生じる傷害及び負担が小さいもの。傷害及び負担の大きさは、研究対象者の年齢や状態も考慮して総合的に判断。

【軽微な侵襲の例】
  • 労働安全衛生法に基づく一般健康診断で行われる採血や胸部単純X線撮影等と同程度(対象者の年齢・状態、行われる頻度等を含む。)
  • 研究目的でない診療において穿刺、切開、採血等が行われる際に、上乗せして研究目的で穿刺、切開、採血量を増やす等がなされる場合において、 研究目的でない穿刺切開、採血等と比較して研究対象者の身体及び精神に追加的に生じる傷害や負担が相対的にわずかである場合
  • 造影剤を用いない MRI 撮像(研究対象者の身体に生じる傷害及び負担が小さいと考えられ、長時間に及ぶ行動の制約等によって研究対象者の 身体及び精神に負担がない)
  • 質問票による調査で、研究対象者に精神的苦痛等が生じる内容を含むことをあらかじめ明示して、研究対象者が匿名で回答又は回答を拒否 することができる等、十分な配慮がなされている場合

侵襲なし

【侵襲なしの例】
  • 残余検体を用いる場合
  • 自然排泄される尿・便・喀痰、唾液・汗等の分泌物、抜け落ちた毛髪・体毛を採取する場合
  • 表面筋電図や心電図の測定、超音波画像撮影(長時間に及ぶ行動の制約等によって研究対象者の身体又は精神に傷害又は負担が生じない場合)
  • 呼吸や心拍数の増加、発汗等が適切な休息や補水等により短時間で緩解する運動負荷
  • 文部科学省の実施する体力・運動能力調査(新体力テスト)で行われる程度の運動負荷

軽微な侵襲を超える侵襲

身体穿刺、切開、薬物投与、放射線照射のうち、軽微な侵襲に含まれないもの【例:投薬、CT・PET検査、腰椎穿刺】
精神心的外傷に触れる質問(災害、事故、虐待、過去の重病や重症等の当人にとって思い起こしたくないつらい体験に関する質問)
研究目的で意図的に緊張、不安等を与えるもの

軽微な侵襲

身体・一般健康診断において行われる程度の採血や胸部単純X線撮影
・造影剤を用いないMRI撮像(長時間の行動の制約を伴わない)
・上乗せの(少量の)穿刺・採血・組織切除
精神【心的外傷に触れる質問により】精神的苦痛が生じると考えられるが、回答の自由が十分に担保されているような質問紙調査

侵襲なし

身体・食品・栄養成分の摂取(食経験のあるもの)
・尿・便・喀痰、唾液・汗等の分泌物、抜け落ちた毛髪・体毛の採取
・表面筋電図や心電図の測定、超音波画像の撮像(長時間のものを除く)
・短期間で回復するような運動負荷(文科省の新体力テストと同程度のもの)
精神具体例無し【例:心的外傷に触れる質問を含まない質問紙調査】

・診療上の必要性があって実施される検査・投薬等は考慮しない(研究目的のもののみ)
・侵襲概念には「実際に生じるか不確定な危害の可能性(=リスク)」は含まれない
・研究対象者の年齢や状態等も考慮する(例:16歳未満の未成年者)
・【】内は作成者による補足

3:必ずしも倫理審査が必要ではないもの

「研究」ではないもの(プラクティスの一環)

特定の患者の治療やケアのために実施されるもの
  • 「研究」と「診療(practice)」の区別に関する一般的な考え方
  • 「研究」の目的は主に一般化可能な知識を得ること
  • 「診療」の目的は目の前の個人の福利増進をはかること
研究には、知識の獲得のために他者を「道具」として使う側面があるため、第三者のチェック(倫理審査)が必要

保健事業や教育実践も「研究」には該当しない

非「医学系」の研究

健康増進や治癒・QOLの向上に関する知見を得ることを目的としないもの(「文系」の研究含む)

指針対象外の「医学系研究」

他に法律がある研究(治験や再生医療など)
特定の試料・情報のみを用いる研究(いわゆる「一般試料」(市販の細胞等)など、「既に連結不可能匿名化された情報」)