第3回 総合内科2

Interviewee 坂口 一彦 神戸大学医学部附属病院総合内科診療科長

「役職」:准教授、診療科長
「専門領域」:総合内科、糖尿病代謝疾患
「得意な診療分野」:糖代謝異常、消化器疾患、生活習慣病を含む一般内科
「プロフィール」
1989年 神戸大学医学部卒業
2000年~2006年 石川島播磨重工業健康保険組合播磨病院(現:IHI播磨病院)内科部長
2006年~2016年 神戸大学糖尿病内分泌内科 助手、助教、講師
2016年4月~現職
「所属学会、資格等」
日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本糖尿病学会専門医・指導医、
日本消化器病学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、
日本高血圧学会専門医、日本病態栄養学会専門医、
日本病院総合診療医学会認定医・指導医、日本プライマリ・ケア連合学会認定医
American College of Physician Membership
医学博士
Interviewer 馬 艶 神戸大学医学部附属病院総合内科 後期研修医

「役職」:後期研修医
「専門領域」:総合内科
「得意な診療分野」:内科一般
「プロフィール」
2001年 中国医科大学卒業
2007年 神戸大学大学院医学研究科 博士課程修了
2007年~2016年 神戸大学大学院医学研究科薬理学 助教、講師
2016年~2018年 神戸大学医学部附属病院 初期研修医
2018年4月~現職
総合内科ってどんなところ?

総合内科ってどんな病気を診るのですか?

内科の専門診療科が揃った大学病院では、診断確定に至っていない患者や、併存疾患が多く全身管理が必要な患者の診療を 我々が担うことが多いです。
様々な症例を万遍なく最後まで診療する「横断型」の診療スタイルをとっていますので、診療疾患は内科全領域の多岐にわたります。専門性の高い疾患は専門診療科と協働して診療にあたり、各領域のcommon diseaseは我々で診断から治療まで行っています。

総合内科にはどんな先生がいるのですか?

現在、専門分野として総合内科を専門とする医師(Generalist as Specialist)、総合内科マインドを持ちつつ何か 一つ専門分野を持つ医師(Specialist as Generalist)など、様々な得意分野を持った内科医師が集まっています。
そのため、診断に難渋するような症例を「ドクターG」のように診断推論していくことは我々の強みではありますが、
診断後各診療科にバトンタッチするばかりでなく、専門性の高くないcommon diseaseは我々で診断から治療まで完結しています。

総合内科の雰囲気はどうですか? 

平成30年4月より内科救急の窓口として救急医療にも携わっていますが、そのために期間は様々ですが内科の全診療科より派遣医師が来てくれています。
その結果、絶えずいくつかの診療科の派遣医師がいることで、専門的見地からの考え方や診断・治療法などをメンバー全員が共有でき、お互いに勉強・成長できる環境にあります。
さらに派遣医師が来てくれることが、院内でのネットワーク作りにもなり、ほぼ毎月歓送迎会という名の「nomunication」を開くことで、絶えず新鮮な空気が入りながら和気あいあいとした雰囲気になっています。

総合内科ではどんな研修ができますか?

主に入院患者さんのケアを担当します。診断がついていない症例からは、病歴聴取・身体診察・基本検査とその解釈、それらの情報収集から診断にいたる臨床推論を学び、併存疾患を多数有し全身管理が必要な症例からは重症管理を学びます。
また救急医療・緊急症例の救急対応なども学びます。common diseaseから各領域の専門疾患、診断に苦慮するような珍しい症例を経験することができます。

最後に学生・研修医に一言お願いします。 

我々総合内科のミッションは「よりよい医療を提供し、社会に貢献する」ことですが、そのためには我々自身がよい医師になること、そしてよい医師を育てることが重要と考えています。
よい医療の定義は様々ですが、患者さんを「幸せ」にすることがよい医療だと我々は考えています。よい医療を行うためには、医学知識・技能だけでは十分でなく、どの分野に進んでも必要となる医師としての「基礎体力」、①患者をケアする能力、②医学的知識、③症例から学び、自分を改善する能力、④人とのコミュニケーション能力、⑤プロフェッショナリズム、⑥医療・社会制度への理解、を磨く必要があります。
どんな分野に進み、どんな病院で働くにしても必要となる「医師の基礎体力」を一緒に身につけていきましょう。

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