第11回 感染症内科

interviewee 西村 翔   神戸大学医学部附属病院 感染症内科 医員・研修担当

 

 2007年3月 国立高知医科大学医学部医学科卒 2011年4月より現職

 

interviewer  圓尾 友梨  神戸大学医学部附属病院 感染症内科 医員

2014年3月 富山大学医学部医学科卒 2019年4月より現職
 

 

 

感染症内科ってどんなところ?

感染症内科って具体的にどんなことをしているんですか?

感染症内科って珍しいですよね。多くの大学病院では感染症内科というと感染管理をしている方々をイメージするかもしれませんが、当院では感染管理チーム(ICT)と我々の業務は完全に分けられています。具体的な業務内容としては、主治医として入院患者を受け持つことは少なく、自科に入院している患者数は常時1~4名程度です。HIVや結核、神経梅毒など、一部の専門家による治療を必要とする感染症の場合、あとは原因の分からない発熱(不明熱)の精査の場合にのみ、自科に入院していただきます。ですので、外来の患者さんも多くはこれらの感染症を患っているか、発熱や炎症はあるもののその原因がよく分かっていない方々です。むしろ、我々のメインの業務は他科入院中の患者さんが発熱したり炎症が高い場合に当科にコンサルトをいただき、主治医の先生方と一緒にその原因を探って、解決に至るお手伝いをすることです。もちろん感染症のことが多いですが、それ以外、具体的には結晶性関節炎や血栓症、薬剤熱だったりすることもあります。また、一部のスタッフは当院の感染管理業務(ICT)のお手伝いもしてます。

研修医はどの程度回ってきますか?

だいたい1か月に常時1-2人は回ってきてくれています。PGY1の先生も2の先生も満遍なく回ってきてくれていますが、最近はどちらかというとPGY2の先生方の方が多いかもしれません。

研修することで何が学べますか?

PGY1と2で多少異なります。例えば1年目の4-5月に回ってきてくれた方、特に将来的に感染症科を志望しているわけでは無い方にいきなり、生涯で二度と遭遇しないであろう珍しい感染症について学んでもらってもあまり意味が無いので、先に内科の基本的事項、例えば輸液や電解質管理、及び感染症の一般原則について学習することになります。症例もよりコモンな感染症を診ていただきます。また、学生時代に文献検索などにあまり慣れていないようであれば、それも教えてもらえます。一方で、PGY2で回ってきてくれて、ある程度は内科的な基礎体力がついている場合は、より珍しい感染症も見ていただけると思います。そのあたりは、研修医の到達度を見ながらこちらで調節できます。将来的にどのサブスペシャリティを専攻するにせよ、患者さんを診る限りは必ず感染症は起こりうるので、ここで一度勉強しておくのは非常に有用だと思います。

研修医の働くスケジュールはどんな感じですか?

朝は7:30から始動しています。朝は週2-3回1時間の勉強会があります。内容はJournal clubであったり、感染症の教科書をまとめて話してもらうこともあります。研修医も1度はjournal clubを担当してもらいます。論文をきちっと読んだことが無い方にはよい経験になると思います。その後、午前中はカルテを見たあと回診です。常時40-80人前後は患者さんがいらっしゃるので結構大変です。午後はだいたい14時くらいからカンファレンスです。毎日行っているのでプレゼンの機会は豊富で鍛えられます。夕方はだいたい17-19時の間には業務は終わります。科の方針としてon/offをはっきりさせることを強調しているので、夜ダラダラと働くことはありません。土日も完全にduty freeです。

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