第17回 精神科神経科

Interviewee 曽良 一郎 神戸大学大学院医学研究科 精神医学分野 教授

略歴

1982年 岡山大学医学部 卒業
1986年 岡山大学大学院医学研究科 修了 医学博士
1986年 高見病院(精神神経科)
1988年 国立療養所山陽荘病院 神経科てんかんセンター
1989年 慈圭病院(精神科)
1991年 米国アリゾナ大学医学部薬理学教室 客員研究員
1993年 米国国立衛生研究所(NIH)付属薬物依存研究所 客員研究員・室長
1999年 東京都精神医学総合研究所 分子精神医学研究部門 部門長
2002年 東北大学大学院医学系研究科 精神・神経生物学分野 教授
2013年 神戸大学大学院医学研究科 精神医学分野 教授

Interviewer 岡本 奈生 神戸大学医学部附属病院 精神科神経科 医員

学 歴・職 歴
2017年3月 東京女子医科大学卒業
2017年4月 神戸大学医学部附属病院初期研修医
2019年4月 神戸大学医学部附属病院精神科専攻医
所属学会
日本精神神経学会

精神科神経科ってどんなところですか?

神戸大学精神科は60年以上の歴史を持ち、伝統のある精神医学教室です。精神科のみ独立した閉鎖病棟を有しており、総合病院内において精神科専門研修が可能なユニットとなっています。独立した入院病床があるため、統合失調症、気分障害、認知症、発達障害、神経症圏といった精神科の一般的な疾患群についても経験することができ、総合病院でもあるため、せん妄・緩和医療などのコンサルテーション・リエゾン領域の疾患も経験できます。治療抵抗性統合失調症に対する薬物療法や、麻酔科と連携の下、修正型電気けいれん療法などの専門的な治療も積極的に行っております。また外来では認知症専門外来の他、ギャンブル依存症やネット依存症などの非物質依存の専門外来も設置しております。

精神科神経科ではどんな研修ができますか?

病棟は、教員、専攻医、初期研修医がチームを組んで、患者さんを受け持ちます。治療方針はチーム内、また全体のカンファレンスでも検討します。外来は初診の予診を担当し、その後、教員の外来に陪席することで外来診察への経験を積んでいきます。教員からの講義も定期的に行っており、基本的な知識を得ることができます。 

どのようなキャリアプランがありますか?

関連の精神科の医療機関は、兵庫県立ひょうごこころの医療センター、神戸市立中央市民病院などの兵庫県を中心とする公立・私立の基幹病院をはじめ、民間の単科精神病院があります。それらの医療機関と連携し、卒後5年目以降で精神保健指定医、精神科専門医の取得を目指します。認知症、児童思春期といった専門医を目指す方には、専門病棟がある連携施設での早期からの研修も可能です。
その後は、大学病院、総合病院、単科精神科病院で臨床を続ける、大学院進学、国内・国外留学などで研究に携わる、といった様々な進路があります。
 近年は女性の医師も増えてきており、産休取得、育児をしながらの研修にも当直を免除するなどして柔軟に対応しています。

最後に一言メッセージを

 ストレス社会におけるうつ病など精神疾患の増加、またネット依存など新たな疾患概念の登場により現代において注目度の高い分野となっています。当教室では脳機能画像や精神薬理学を適切に理解し、患者と家族を幅広い視点で支援できる社会性を兼ね備えた精神科専門医を育てたいと考えております。少しでも興味があれば、ぜひ研修に来て精神科の奥深さを感じてもらえればと思います。

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