第19回 食道胃腸外科

interviewee 掛地 吉弘 神戸大学医学部附属病院 食道胃腸外科学分野教授

【略歴】
1987年 九州大学医学部卒業
1987年 九州大学医学部附属病院医員(研修医)(第二外科)
1988年 新日本製鐵(株)八幡製鐵所病院医師(外科)
1989年 九州大学医学部附属病院医員(第二外科)
1990年 福岡歯科大学助手(外科)
1991年 国立病院九州がんセンター医師(消化器部外科)
1994年 米国Harvard Medical School, Dana-Farber Cancer Institute, Research fellow
1996年 九州大学医学部助手(外科学第二講座)
1999年 佐賀県立病院好生館(外科医長)
2001年 九州大学医学部附属病院助手(第二外科)
2002年 九州大学医学部附属病院腫瘍センター講師
2003年 九州大学医学部附属病院先端医工学診療部助教授
2005年 九州大学大学院消化器・総合外科助教授
2012年 神戸大学大学院外科学講座食道胃腸外科学分野教授

日本学術会議連携会員、National Clinical Database 理事、
日本外科学会(代議員)
日本消化器外科学会(理事・評議員)、日本癌学会(評議員)、
日本癌治療学会(理事・評議員)、
日本食道学会(理事・評議員)、日本胃癌学会(理事・評議員)、
日本内視鏡外科学会(評議員)、日本臨床外科学会(評議員)、
日本臨床腫瘍学会(評議員)、
日本大腸肛門病学会、大腸癌研究会(世話人)
Fellow of American College of Surgeons (FACS)
American Society for Clinical Oncology (ASCO)
American Association for Cancer Research (AACR)

日本外科学会専門医、指導医
日本消化器外科学会専門医、指導医
日本食道学会食道外科専門医
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医、指導医
日本消化管学会胃腸科専門医、指導医

interviewer 向山 知佑 神戸大学医学部附属病院 食道胃腸外科医員

【経歴】
2015年3月 神戸大学医学部医学科 卒業
2015年4月 大阪府済生会中津病院 初期臨床研修医
2017年4月 大阪府済生会中津病院 外科専攻医
2020年4月 神戸大学大学院医学研究科 食道胃腸外科学分野 博士課程
【所属学会】
日本外科学会
日本消化器外科学会
日本内視鏡外科学会

食道胃腸外科ってどんなところ?

食道胃腸外科ってどのような診療科ですか?

消化器外科の中でも、食道・胃・大腸からなる消化管の外科手術を中心に診断・治療を行っています。日本人のがんの約3分の1は消化管のがんです。最近の医療技術の進歩により、早期に発見されるがんも増えましたが、依然として進行癌で見つかる場合も多くあります。外科治療を中心に、化学療法や放射線療法と組み合わせた集学的治療も行い、がんの治癒を目指す診療を行っています。手術方法では、体への手術侵襲を減らすことを目的に腹腔鏡手術やロボット支援手術を積極的に行っています。

主にどのような病気を診ていますか?

食道がん、胃がん、大腸がんなどの悪性疾患を中心に診療を行っています。大学病院という特性上、多岐にわたる全身疾患を有した担癌患者様の紹介も多く、当科だけではなく消化器内科や腫瘍血液内科、放射線腫瘍科、麻酔科など、多くの診療科と協力して全身管理のもとに診療を行っています。また、食道裂孔ヘルニアや鼠経ヘルニアなどの良性疾患も診療しています。

食道胃腸外科ではどのような研修ができますか?

食道、胃、大腸の3つのグループに分かれて診療を行っています。当科での研修の際には、いずれかのグループに所属してもらいます。担当グループごとに診察や手術へ参加し、カンファレンスや回診時にはプレゼンテーションを行い、医療チームの一員として積極的に参加してもらいます。実際の手術では結紮縫合や皮膚切開などを行い、しっかりとした臨床技術が段階的に身に付くような研修ができます。

どのようなキャリアプランがありますか?

まず、外科専門医の取得へ向けて、神戸大学外科学講座では「神戸大学外科専門研修プログラム」を運営しています。消化管領域以外にも、肝胆膵外科や心臓血管外科など多岐にわたる領域の手術経験が必要であり、神戸大学病院だけでなく、兵庫県や大阪府を中心とした関連施設で豊富な臨床経験を得ることができます。さらに、その先にはより高度なサブスペシャリティである消化器外科専門医の取得に向けて引き続き修練を行い、同時に大学院への進学・研究も可能です。将来、何をしたいか、一人一人の希望に沿って具体的に最適なキャリアプランを用意します。

最後に研修医や学生にメッセージを!

外科は、患者さんに敬意を持って接し、全身管理のもとに必要最小限の効果的な治療を施す診療科です。診断から治療に至るまでの全ての行為に責任を持ち、目の前の患者さんに最良の治療を考えます。治療手段の制限は無く、またチーム医療を行うので皆が協力し、互いを高め合う職場環境を目指します。常に変化する時代に合わせて、より良く向上することに重きを置いています。外科に魅力を感じる方、自分の可能性を確かめたい方を歓迎します。

関連記事

  1. 第30回  産科婦人科

  2. 第27回  眼科

  3. 第20回 肝胆膵外科

  4. 第43回 腫瘍・血液内科

  5. 第21回  乳腺内分泌外科

  6. 第9回 糖尿病・内分泌内科

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP