第20回 肝胆膵外科

Interviewee  小松 昇平  神戸大学医学部附属病院肝胆膵外科 特手助教

 

【学歴】
2002年 神戸大学医学部医学科卒業
2006年~2010年 神戸大学大学院医学研究科 博士課程
2011年 神戸大学医学博士

【職歴】
2002年 神戸大学医学部附属病院 第一外科 研修医
2003年 兵庫県立成人病センター 外科 研修医
2004年 国立病院機構神戸医療センター 外科 専攻医
2005年 淀川キリスト教病院 外科 専攻医
2006年 神戸大学医学部附属病院 肝胆膵外科 医員
2010年 西神戸医療センター 外科 医員
2011年 淀川キリスト教病院 外科 医員
2012年 神戸大学医学部附属病院 肝胆膵外科 医員
2013年 Hopital Saint Antoine, Paris, Clinical fellow
2014年 Hopital Pitie, Paris, Clinical fellow
2015年 淀川キリスト教病院 外科 医長
2016年 神戸大学医学部附属病院 肝胆膵外科 特定助教

 

 

Interviewer  新田 修幹  神戸大学医学部附属病院初期臨床研修医

【学歴】
2019年 島根大学医学部医学科卒業
【職歴】
2019年 北播磨総合医療センター 臨床研修医
2020年 神戸大学医学部附属病院 臨床研修医

肝胆膵外科ってどんなところ?

 

神戸大学の肝胆膵外科ってどんなところですか?

肝胆膵外科では肝胆膵領域の良性・悪性疾患に対する外科治療・移植治療を中心に診療を行っています。当科には、福本巧教授以下34名の医師が所属し臨床や研究に取り組んでいます。若い大学院生も多数入局しており活気に満ちているのが特徴です。近年では腹腔鏡手術を積極的に導入し、年間450例程度の肝胆膵疾患の手術を施行しており、症例数・成績ともに全国的にトップクラスです。当科では肝胆膵疾患に対する手術手技の研鑽につとめるだけでなく、独自の外科先端治療技術を開発してきました。当科で開発した経皮的肝灌流化学療法や体内空間可変粒子線治療などがすでに臨床応用されており、全国の医療機関から多数の患者様が紹介されています。また当科では外科手術のみならず、消化器内科や放射線科と定期的にカンファレンスを行うことで、患者様にとって最適の治療を選択するように心がけています。

肝胆膵外科ではどんな研修ができますか?

当科は、大きく肝臓グループ・胆道グループ・膵臓グループに分かれ、さらにグループ内で3~4人のチームを組んで専門性の高い診療を行っています。研修医の先生には、3つのグループのいずれかに所属してもらい、上級医の指導により身体所見の取り方、画像診断、結紮・縫合方法など、一般外科医として必要な基礎を習得できるようなプログラムを組んでいます。神戸大学肝胆膵外科でしか経験できないような、高難度手術が必要な疾患や、肝臓・膵臓移植の症例も多数あり、グループの垣根をこえて、幅広く経験することができます。専門性の高い大学病院ならではの、高いレベルでのチーム医療を通じて、多くの事を学んでもらえると確信しています。また、研究や学会、論文発表に関しても精力的に取り組んでおり、研修医の先生にも学会発表や論文作成の指導を積極的に行っています。

どんなキャリアプランがありますか?

昨今、外科領域において専門医取得の重要性が増しており、当科でも早い時期から専門医の取得が可能となるプログラムを組んでいます。例えば、全ての基礎となる外科専門医の取得については、必要な手術症例数を経験できるよう、他の診療科と連携しています。大学病院は各領域の疾患が多数経験できるため、専門医取得を視野に入れて初期研修を大学で行うメリットは非常に大きいと思います。また、外科専門医取得後にサブスペシャリティとしての消化器外科専門医、次のステップとしての肝胆膵外科高度技能医や内視鏡外科技術認定医の取得を目指す上で個人の希望を最大限尊重しキャリアアップできる環境が整っています。
 

最後に一言メッセージを

肝胆膵外科領域は専門性が高く、最初のうちはなかなか興味がわかない方も多いかもしれません。しかし、病態や手術など全てが非常に奥深く、いつまでたっても山頂が見えない登山のような難しさと、その何倍もの面白さがあります。困難な手術を乗り越えた時、手術を担当した患者さんが元気に退院されていく時、外科医になった喜びを必ず感じることが出来ます。肝胆膵疾患に対する挑戦、自分自身に対する挑戦はいつまでも終わることがありません。肝胆膵疾患最後の砦として、強い気概と情熱を持って診療に取り組んでいます。一人でも多くの先生方と共に働ける日を楽しみにしています。

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