第26回 脳神経外科

Interviewee 篠山 隆司 神戸大学医学部附属病院 脳神経外科学分野教授 脳神経外科診療科長

【略歴】
平成6年(1994)3月 神戸大学医学部 卒業
平成6年(1994)6月 神戸大学医学部附属病院 研修医(脳神経外科)
平成7年(1995)1月 公立豊岡病院 研修医(脳神経外科)
平成7年(1995)10月 兵庫県立成人病センター レジデント(脳神経外科)
平成8年(1996)10月 高砂市民病院 医員(脳神経外科)
平成10年(1998)1月 三田市民病院 医員(脳神経外科)
平成11年(1999)4月 神戸大学医学部 脳神経外科大学院 
平成15年(2003)10月 神戸大学医学部附属病院 脳神経外科 医員
平成17年(2005)11月 神戸大学医学部附属病院 脳神経外科 助手
平成22年(2010)4月 神戸大学医学部附属病院 脳神経外科 講師 
令和2年(2020)9月 神戸大学大学院医学研究科外科系講座脳神経外科学分野 教授

【学会活動】
(国内)
日本脳神経外科学会(代議員)
日本脳神経コングレス(運営委員)
日本脳腫瘍学会
日本脳腫瘍病理学会
日本癌学会 
日本癌治療学会
日本分子標的治療学会
日本分子脳神経外科学会(学術企画運営委員)
日本脳神経外科光線力学学会 (運営委員)
近畿脳腫瘍病理研究会(世話人)
Neuro-oncology Westの会 (世話人)

(国際)
Society for Neuro-Oncology (アメリカ脳腫瘍学会)
Asian Society for Neuro-Oncology (アジア脳腫瘍学会)

Interviewer 芝野 綾香 神戸大学医学部附属病院 脳神経外科 医員

【略歴】
平成30年(2018)3月 兵庫医科大学 卒業
平成30年(2018)4月 兵庫県立淡路医療センター 初期臨床研修医
令和2年(2020)4月 兵庫県立淡路医療センター 脳神経外科専攻医
令和2年(2020)10月 神戸大学医学部附属病院 脳神経外科専攻医

【所属学会】
日本脳神経外科学会
日本脳卒中学会
日本脳神経血管内治療学会

 

脳神経外科ってどんなところ?

神戸大学の脳神経外科ってどんなところですか?

脳神経外科では脳や脊髄などの中枢神経や末梢神経にできた病気に対して、外科手術をメインに治療を行っています。最近では開頭手術のみでなく、内視鏡手術、血管内治療も積極的に行っています。脳神経外科の領域は、脳卒中などの血管障害(脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血など)、脳腫瘍(グリオーマ、髄膜腫など)、神経外傷(硬膜下血腫、硬膜外血腫など)、機能性疾患(てんかん、パーキンソン病など)、脊髄疾患(脊髄腫瘍、椎間板ヘルニアなど)、小児脳疾患(先天性水頭症、奇形など)など、6つの領域に大きく分類され、大学病院には高度な治療を必要とする患者さんが沢山来られます。神戸大学では、術中ナビゲーションや術中MRI、3D神経内視鏡、術中光線力学療法などの最新の機器を用いて、先進的な治療を行っています。

とても楽しく充実した毎日を過ごさせていただいてます。当科での研修内容を教えてください。

初期研修では病棟医の先生に付いて、病棟の患者さんを中心に手術、術前術後管理に積極的に関わってもらいます。後期研修では基本的に病棟医としてスタッフの先生と共に患者の治療にあたってもらいます。手術では基本的に開閉頭を担当してもらい、カンファレンスでは術前診断、手術適応の有無、手術法をスタッフの先生と話し合い、発表してもらいます。脳神経外科では手術前後の神経所見が非常に勉強となりますので、術前後管理は特に重点的に勉強してもらいます。

最近は女医の先生も増えてるように思いますが、脳外科のキャリアプランを教えてください。

脳神経外科は初期研修後、脳神経外科の研修プログラムに入り、大学病院と連携病院で研修を4年積むことで脳神経外科専門医試験を受けることが出来ます。専門医までは脳神経外科のすべての領域を幅広く学びます。いくつかの連携病院をローテーションすることで、様々な病気を見ることが出来、勉強になります。専門医を取得したら、自分が治療したい疾患領域をサブスペシャリティーとして選択し、専門性を高めます。女性医師の方も自分に合ったサブスペシャリティーを選択して、キャリアを積んでいきます。

脳外科は忙しくて大変なイメージがありますが、実際はどうですか。また、脳外科医になってよかったなって思う時はありますか?

脳神経外科は忙しいというイメージですが、実際はそれほど忙しくはありません。私が研修医の時は12時間以上かかる長時間手術を沢山行っていましたが、最近は二期的に手術を行ったり、より侵襲の少ない方法で手術を行うようになっており、患者にとっても医者にとっても優しい科となっています。脳神経外科になって良かったと思う時は、意識が無くて昏睡であった患者さんが手術をして意識が回復して元気に退院する時ですね。患者さんに感謝される時が一番幸せです。

私は手先が器用ではない方ですが、今後大丈夫でしょうか。

脳神経外科の手術は手先の器用さよりも丁寧さや確実さが大事です。安全なステップを確実に踏みながら手術を進めることが大切ですので、器用でなくても心配ありません。はじめは顕微鏡手術に慣れなくても、練習すれば体が自然と覚えていきます。脳神経外科に興味がある方はぜひ当科の研修にご参加ください。一緒に働けることを心より楽しみにしています。

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