第41回 糖尿病・内分泌内科

Interviewee  山本雅昭 神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌内科学部門 助教/病棟医長

学歴・職歴
2004年 兵庫医科大学医学部医学科卒業
2004年 東京女子医科大学病院 卒後臨床研修センター研修医
2006年 東京女子医科大学病院内分泌疾患総合医療センター内科 医療練士
2012年 神戸大学大学院医学研究科博士課程修了(神経内分泌学)
2013年 日本医科大学内分泌糖尿病代謝内科 助教
2014年 Cedars-Sinai Medical Center, Postdoctoral Scientist
2017年 同, Project Scientist
2019年 神戸大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌内科 特定助教/病棟医長
2022年 現職

Interviewer  中辻萌 神戸大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌内科 医員

学歴・職歴
2017年 兵庫医科大学医学部医学科卒業
2017年 社会医療法人生長会 府中病院 初期研修医
2019年 独立行政法人国立病院機構神戸医療センター 糖尿病内科 後期研修医
2022年 現職

神戸大学の糖尿病・内分泌内科はどんなところですか?

糖尿病・内分泌内科は2007年できた比較的新しい診療科ですが、そのルーツは古く、約半世紀に亘ってわが国を代表する糖尿病学、内分泌学の診療、研究、教育の拠点として発展してきました。現在、病棟は4名の教員と11名の医員・専攻医が約16床の主科患者に加え、常時約50~100名の他科の入院患者の血糖コントロール、電解質異常、甲状腺機能異常や副腎不全など、様々な糖尿病や内分泌疾患の診療にあたっています。

どんな研修ができますか?

糖尿病に関しては、まず糖尿病の成因や病態、合併症を正しく評価した上で、その患者さんに合った治療を選択できるようになることを学びます。
糖尿病の治療薬は近年非常に多様化してきており、個々の病態や生活に合った治療薬を選択できるようになることが重要です。また当科ではインスリンの基本的な使い方から、インスリンポンプといった先進デバイスを用いた最新の治療まで学ぶことできます。
内分泌に関しては、ホルモン値の測定原理や刺激試験の結果の解釈など基礎を学ぶことから、ガイドラインを超えて個々の症例の病態やその機序まで本質を深く理解できるような指導を心がけています。比較commonな疾患から世界初の症例まで、これほど多彩な疾患を豊富に経験できる施設は他に類がないと自負しています。また希望すれば学生や研修医の先生であっても学会での発表や論文執筆などのチャンスを手に入れることができ、特に学会発表においては多くの受賞者を輩出しています。

具体的なキャリア支援を教えてください。

卒業からしばらく経ってから入局する方も多数おられますので、それぞれのライフプランに合わせたキャリア支援をするようにしています。また歴史が古く同門の先生が多いことから関連病院が豊富であることも当科の強みです。専門性の高い研修ができる病院から総合内科医としてのスキルを高められる病院まで、各病院には様々な特色があり、目指す医師像に応じたキャリア支援が可能です。また、当科は糖尿病・内分泌領域の研究において、世界をリードする業績をあげてきました。基礎・臨床両面において、充実した研究環境を準備しています。近年日本から留学に行く医師の数が減少しておりますが、当科では留学を積極的に推奨しており、現在4名の先生方が国内・海外でご活躍されておられます。

女性医師のキャリア支援について教えてください。

医局員が多いので、産休・育休明けで家族のサポート体制に応じて様々な勤務形態での職場復帰を可能にしています。また復帰に際してもブランクのある本人の不安ができるだけ軽減するようなサポートプランを提案するようにしています。また子育て中の男性医師も安心して仕事ができるように、お子さんの急な病気や学校行事にも対応できるようなサポート体制を作っています。

最後にメッセージを。

当科の特徴としてはただ診療に終始するだけでなく、臨床に根ざした問題の機序を様々な方法で明らかにして診断・治療応用を目指すというスタイルで、これまで数多くPhysician-Scientistを輩出してきました。みなさんが患者さんを診ていて生まれてくる疑問や教科書には書いていない現象などを突き詰めていくと、まだ世界の誰も経験したことのない新たな病気が見つかる場合や、そこから普遍的な真理が見つかる場合があります。まずは実際に見学に来て当科の雰囲気を味わって頂き、ぜひこのような体験を多くの若い先生方と共有できたらと考えています。

関連記事

  1. 第5回 腎臓内科

  2. 第34回 リハビリテーション科

  3. 第29回 泌尿器科

  4. 第14回 放射線腫瘍科

  5. 第32回 麻酔科

  6. 第28回 耳鼻咽喉・頭頸部外科 

PAGE TOP