取り組み

先進医療の取り組み

先進医療とは

まだ保険診療と認められていない医療の中で、厚生労働省が認めたものについて、一定の施設基準を定め、保険診療との併用が認められた医療をいいます。

先進医療については、平成16年12月の厚生労働大臣と内閣府特命担当大臣(規制改革、産業再生機構)、行政改革担当、構造改革特区・地域再生担当との「基本的合意」に基づき、国民の安全性を確保し、患者負担の増大を防止するといった観点も踏まえつつ、国民の選択肢を拡げ、利便性を向上するという観点から、保険診療との併用を認めることとしたものです。また、先進医療は、健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)において、「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」として、厚生労働大臣が定める「評価療養」の1つとされています。

先進医療の詳細については 厚生労働省「先進医療の概要について」を参照ください。

先進医療の費用について

「先進医療に係る費用」は、患者さんの「全額自己負担」となりますが、「先進医療にかかる費用」以外の通常の治療と共通する部分(診察、投薬、検査、入院費等)の費用は公的医療保険(健康保険)が適用され、この部分については高額療養費制度の対象になります。

先進医療を受けた時の費用は、下記の参考のようになり、患者さんは一般の保険診療の場合と比べて、「先進医療に係る費用」を多く負担することになります。

参考:総医療費用が150万円(うち、「先進医療に係る費用」が50万円)だった場合

参考

厚生労働省「先進医療の概要について」を改変

神戸大学医学部附属病院で実施する先進医療について

本院では、下記の先進医療を実施しています。詳細は直接実施している診療科にお尋ねください。

1.陽子線治療 【外科的治療を実施する施設】

適応症
根治切除が可能な肝細胞がん(初発のものであり、単独で発生したものであって、その長径が三センチメートルを超え、かつ、十二センチメートル未満のものに限る。)
実施している診療科
肝胆膵外科
患者負担額
当院は保険診療として行う外科的治療のみを実施する

2.周術期デュルバルマブ静脈内投与療法

適応症
肺尖部胸壁浸潤がん(化学放射線療法後のものであって、同側肺門リンパ節・縦隔リンパ節転移、同一肺葉内・同側の異なる肺葉内の肺内転移及び遠隔転移のないものに限る。)
実施している診療科
呼吸器外科、呼吸器内科、放射線腫瘍科
患者負担額
1コースにつき2,800円

3.術後のアスピリン経口投与療法

適応症
下部直腸を除く大腸がん(ステージがIII期であって、肉眼による観察及び病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限る。)
実施している診療科
食道胃腸外科
患者負担額
0円

4.セボフルラン吸入療法

適応症
急性呼吸窮迫症候群(従来の治療法に抵抗性を有するものに限る。)
実施している診療科
麻酔科
患者負担額
0円

5.アルゴンプラズマ高周波焼灼・凝固療法 切除が不可能な食道表在がん

適応症
食道表在癌
実施している診療科
消化器内科
患者負担額
1連につき154,549円

6.経皮的前立腺がんマイクロ波焼灼・凝固療法

適応症
前立腺がん(限局性のものに限る。)
実施している診療科
泌尿器科
患者負担額
1連につき715,000円

7.β2GPIネオセルフ抗体検査

適応症
不育症
実施している診療科
産科婦人科
患者負担額
1回につき29,260円