第15回 小児科

Interviewee:飯島 一誠 神戸大学医学部附属病院 小児科学分野教授

 

【略歴】
1982 年 神戸大学医学部医学科卒業
1984 年 神戸大学大学院医学研究科入学
1988 年 神戸大学大学院医学研究科修了 医学博士
1989 年 State University of New York at Stony Brook に留学
1991 年 神戸大学医学部附属病院小児科医員
1991 年 神戸大学医学部附属病院小児科助手
2002 年 神戸大学大学院医学系研究科成育医学講座小児科学講師
2002 年 国立成育医療センター腎臓科医長
2008 年 神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野こと゛も発育学部門特命教授
2011 年 神戸大学大学院医学研究科内科系講座 小児科学分野教授
2013 年 神戸大学大学院医学研究科副研究科長・医科学専攻長

 

 

 

Interviewer:吉田 阿寿美  神戸大学医学部附属病院小児科 医員

経歴
2015年 神戸大学医学部卒業
2015年 神戸医療センター初期研修医
2016年 神戸大学医学部附属病院 初期研修医
2017年 加古川中央市民病院 小児科専攻医
2019年 明石医療センター 小児科専攻医
2019年 神戸大学医学部附属病院 小児科専攻医

所属学会
日本小児科学会
日本周産期学会
日本新生児成育医学会

神戸大学小児科はどのようなところですか?

神戸大学小児科は、超低出生体重児から小児期の種々の難治性疾患に対する最新医療、腎移植や血液幹細胞移植などの移植医療、発達障害や心の問題といったさまざまな領域において質の高い小児医療を提供しています。
現在はおよそ35名ほどの医師が各診療グループに所属し外来業務や病棟業務を行なっています。
また、種々の小児難治性疾患の原因究明や新たな治療法開発のための基礎的・臨床的研究を積極的に行っていることも当科の強みです。

どのような研修ができますか?

初期研修医は基本的にいずれかの診療グループ(新生児・血液・腎臓・神経筋代謝)に所属して研修を行います。各診療の専門疾患の診察だけでなく、小児の採血や点滴路確保などの手技も上級医の監督の元積極的に行ってもらいます。また、市中感染症などのいわゆるcommon diseaseに関しても神戸市の一次救急施設からの紹介入院を受け入れる形で経験できるほか、希望者は一次救急(当直)の見学も可能です。
小児科専門研修(後期研修)では、姫路赤十字病院や加古川中央市民病院など関連病院と大学病院を組み合わせた研修が可能です。特に大学病院での研修期間中は、市中病院で診断・治療が困難であった疾患の診療に加え、学会発表や論文執筆の指導を積極的に行なっています。

専門医の取得や、女性医師の働きやすさについてはいかがですか?

当科では、小児科専門医の取得が可能です。現在は査読付き論文の執筆が専門医受験資格の必須条件になっていますが、神戸大学小児科専門研修プログラムではこの論文執筆についても積極的に指導を行なっています。また、小児科専門医取得後も、所属する診療グループに応じて、周産期専門医(新生児)、小児血液・がん専門医、小児神経専門医、腎臓専門医などの取得が可能です。
また、現在大学に在籍している小児科医師の約1/3が女性医師であり、教員や大学院生としてそれぞれ臨床・研究両面で活躍しています。産休取得も含め、子育て中の医師は状況に応じて当直業務の免除など少しでも女性医師が働きやすいような環境を整えています。

最後に研修医や学生にメッセージを。

現代医療では、専門分野の細分化につれて疾患を臓器別にとらえる傾向にあります。しかし小児科の魅力のひとつは、全人的・包括的な医療が提供できる点にあります。
個々の疾患に対して最新の知識や技術で臨むのはもちろんですが、こどもたちそれぞれの発達や、成育環境などの社会環境にも常に配慮した対応を行っています。
こどもの医療に興味のある方は是非一度見学に来てください。医療を通してこどもたちを支え、こどもたちの、そして我々の未来を一緒に作っていきましょう。

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