当院では、平成14より新調理システムを病院食の一部に導入しています。新調理システムとは厳密な衛生管理と献立計画に基づき、食材の発注・在庫管理、調理の安全性品質、経済性を求めてシステム化した調理方式で、真空調理、クックチル、クックフリーズおよびクックサーブを適切に組み合わせて運用するものです。


<新調理システムの利点>

 1.料理の品質管理の側面

    ・素材本来の風味や旨味が逃げず、酸化が少なく栄養素成分の損失も少ない

    ・目減りが少なくボリュームを保つことができるため、エネルギーコントロールにより食事量の少

     ない患者に適している

    ・浸透圧により減塩効果が得られ、保存中に味が熟成されるため、塩分・糖分のコントロール食

     でもおいしく調理可能

    ・マニュアルにより品質の均一化と再現性が可能

    ・直接食品に触れないため衛生的

 2.患者サービスの側面

    ・計画生産により複数メニューの提供が可能

    ・事前調理によりイベント食(正月料理など)などの手の込んだ料理の提供が可能

 3.作業管理の側面

    ・計画生産のため、事前に出勤人数の調整が可能

    ・マニュアルの遵守により作業が平準化、業務の合理化に繋がる

 4.災害時の非常食への対応
    ・保存が可能であり災害など非常時の患者食提供に対応


(1)真空調理

 食材を真空包装し、低温で加熱調理後30分以内に急速に冷却(90分以内に中心温度3℃以下まで)または冷凍して保存・運搬し、提供時に再加熱(中心温度75℃以上で1分間以上)する調理方法です。

(2)クックチル・クックフリーズ

 クックチルは食材を加熱調理後30分以内に冷水または冷風により急速冷却(90分以内に中心温度3℃以下まで)を行い、3℃以下の冷蔵により保存・運搬し、提供時に再加熱(中心温度75度以上で1分間以上)する方法です。冷却方法の違いからタンブルチラーシステムとブラストチラーシステムがあります。

 タンブルチラーシステムは冷水(12℃)の中で冷却し、保存期間は最大45日。ブラストチラーシステムはブラストチラーによる強冷風で冷却し、保存期間は製造日を含めて最大5日までとされています。

 クックフリーズは食材を加熱調理後30分以内に急速に冷凍(中心温度を90分以内に-5℃以下、さらに120分以内に-18℃以下まで)して保存し、提供時に再加熱(中心温度75℃以上で1分間以上)する方法です。

(3)作業工程・使用機器   詳しくはこちら


(4)活用メニュー例

  クックチル
    

          筑前煮                  春巻き

    クックフリーズ
       
          ミートローフ