リハビリテーション科・医療技術室 リハビリテーション部門 Rehabilitation Medicine
リハビリテーション科・医療技術室 リハビリテーション部門 Department/Division of Rehabilitation Medicine
患者さん・ご家族に寄り添う、専門的かつ包括的なリハビリテーションを提供します
当科・部門の特色 Greeting
リハビリテーション科および医療技術室リハビリテーション部門では，肺がんや乳がん，泌尿器がん，消化器がん，骨軟部腫瘍などのがん関連疾患における術後合併症・後遺症や廃用症候群の予防・改善，早期の退院・社会復帰を目的に，手術前より退院まで継続したリハビリテーションを行っております。また，がん関連疾患のみならず，膝前十字靱帯損傷や肩腱板断裂などの整形外科術後の機能障害の改善や日常生活活動への早期の復帰，早期のスポーツ復帰を目的としたリハビリテーションも行っております。さらに，難治性リンパ浮腫に対する教育入院や外来でのリハビリテーションも形成外科とも協力し，多職種協働で対応しております。
リハビリテーション科 診療責任医師 深瀬 直政 先生
深瀬 直政先生のメッセージ
ICCRCリハビリテーション科・部門では、患者様一人ひとりの早期社会復帰とQOL向上を最優先に考えた診療を行っています。 当科・部門では、がん治療後の合併症予防・改善から、前十字靭帯損傷や腱板損傷などのスポーツ外傷、難治性リンパ浮腫まで幅広く対応しています。特に術前から術後まで継続したリハビリテーション介入により、早期の機能回復を目指しています。 神戸医療産業都市内にある大学病院として、最新の知識と医療技術を駆使し、安全でクオリティの高い専門的な医療を提供することを使命と考えております。専門的な知識と技術を持つセラピストが、エビデンスに基づいたリハビリプログラムを提供し、スポーツ復帰や日常生活への早期復帰をサポートいたします。患者様とご家族に寄り添った医療を提供できるよう、スタッフ一同日々邁進しておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
トピックス
- 水田万裕 理学療法士が「第7回日本がん・リンパ浮腫理学療法学会」にて大会長賞を受賞しました。
水田万裕，舘林大介，牧浦大祐，藤原克哉，奥村真帆，井上順一朗，酒井良忠：造血幹細胞移植における骨格筋評価の標準化に向けて ～定量的・定性的評価の検討～．第7回日本がん・リンパ浮腫理学療法学会学術大会，函館市，2024年11月17-18日． - 三浦大祐 理学療法士の診療活動が母校のホームページで紹介されました。
三浦 大祐さん／医療健康科学部 理学療法学科卒業（和歌山県 和歌山商業 高等学校） | 大阪電気通信大学 受験生応援サイト - 井上順一朗 理学療法士のインタビュー記事が産経新聞に掲載されました。
2023/11/17 がん治療の手術前のリハビリで「早期の社会復帰も可能に」神戸大医学部の理学療法士
https://www.sankei.com/article/20231117-RGGMZ4ABVZOJTNYSFSXKV74VZ4/
2023/11/30 抗がん剤治療中のリハビリで治療に好影響、神戸大医学部付属病院
https://www.sankei.com/article/20231130-PW5PLIWCH5IE3BPZ34LKTD6FSU/
リハビリテーション診療体制について
リハビリテーション診療体制
神戸大学医学部附属病院国際がん医療・研究センター リハビリテーション科および医療技術室 リハビリテーション部門は2020年2月に開設され、理学療法士3名体制にて入院・外来でのリハビリテーションを提供しています。
施設基準
運動器リハビリテーション料 II
呼吸器リハビリテーション料 I
脳血管疾患等リハビリテーション料 III
廃用症候群リハビリテーション料 III
がん患者リハビリテーション料I
保有資格
専門理学療法士（呼吸・心血管・糖尿病）：1名
認定理学療法士（呼吸）：1名
（運動器）：1名
3学会合同呼吸療法認定士：2名
リンパ浮腫複合的治療料実技研修会修了：1名
リハビリテーション対象疾患について
リハビリテーション対象疾患
主に手術前後のリハビリテーションを提供しています。
【整形外科】前十字靱帯（ACL）損傷，腱板損傷，骨軟部腫瘍，椎間板ヘルニア，他
【呼吸器外科】肺癌，縦隔腫瘍，気胸，膿胸，他
【乳腺・内分泌外科】乳癌
【食道胃腸外科】大腸癌，鼠径ヘルニア，他
【肝胆膵外科】肝癌，胆癌，膵癌，胆嚢炎，腹壁瘢痕ヘルニア，他
【泌尿器科】膀胱癌，前立腺癌，他
【形成外科】リンパ浮腫，皮膚潰瘍，褥瘡，他
スタッフ紹介
| 氏名 | 職種 | 資格専門・併任 |
|---|---|---|
| 深瀬 直政 | 診療責任医師 |
【学位】 博士（医学） 【専門資格】 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 日本整形外科学会認定 骨・軟部腫瘍医 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医 日本整形外科学会認定 スポーツ医 日本整形外科学会認定 リウマチ医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 日本リハビリテーション医学会 認定臨床医 がんのリハビリテーション研修修了 【併任】 神戸大学生命・医学系医学域 特命助教 |
| 井上 順一朗 | 理学療法士 |
【学位】 博士（保健学） 【専門資格】 専門理学療法士（呼吸・心血管・糖尿病） 認定理学療法士（呼吸） 3学会合同呼吸療法認定士 がんのリハビリテーション研修修了 |
| 三浦 大祐 | 理学療法士 | 【学位】 修士（工学） 【専門資格】 認定理学療法士（運動器） 3学会合同呼吸療法認定士 がんのリハビリテーション研修修了 |
| 水田 万裕 | 理学療法士 | 【学位】 修士（保健学） 【専門資格】 リンパ浮腫複合的治療料実技研修会修了 がんのリハビリテーション研修修了 |
研究・業績
論文
2025年
- ・Osaki K, Morishita S, Nakano J, Inoue J, Okayama T, Suzuki K, Tanaka T, Fukushima T. Relationship between quality of life before treatment and survival in patients with hematological malignancies: A meta-analysis. Fukushima J Med Sci. 2025. doi: 10.5387/fms.24-00042. Online ahead of print.
- ・井上順一朗．がん学際領域とリハビリテーション医学・医療―多学際領域との協働で奏でる臨床腫瘍学の未来 Geriatric Oncology（老年腫瘍学）．Journal of Clinical Rehabilitation. 2025; 34(2):134-140.
2024年
- ・Tanaka T, Morishita S, Nakano J, Inoue J, Okayama T, Suzuki K, Osaki K, Fukushima T. Relationship between patient-reported health-related quality of life as measured with the SF-36 or SF-12 and their mortality risk in patients with diverse cancer type: a meta-analysis. Int J Clin Oncol (2024). https://doi.org/10.1007/s10147-024-02659-0
- ・Atomura D, Inoue J, Okumura M, Sakakibara S. Effects of Short-Term Educational Hospitalization with Multidisciplinary Approach for Lymphedema on Limb Circumference and Quality of Life. Lymphat Res Biol. 2024; ・Fukushima T, Suzuki K, Tanaka T, Okayama T, Inoue J, Morishita S, Nakano J. Global quality of life and mortality risk in patients with cancer: a systematic review and meta-analysis. Qual Life Res. 2024;33(10):2631-2643.
- ・井上順一朗, 奥村真帆, 酒井良忠．がん患者に対する理学療法とリスク管理．理学療法湖都．2024; 43: 6-12.
- ・井上順一朗．特集「がんリハビリテーションUp to Date」がんリハビリテーション．日本理学療法士協会雑誌 Up to Date. 2024; 2(2): 53-60.
- ・Inoue, J., Morishita, S., Okayama, T. et al. Impact of quality of life on mortality risk in patients with esophageal cancer: a systematic review and meta-analysis. Esophagus 21, 270-282 (2024). https://doi.org/10.1007/s10388-024-01064-w
- ・Manfuku, M., Inoue, J., Yamanaka, N. et al. Effects of taxane-induced peripheral neuropathy on hand dexterity impairment: evaluation of quantitative and subjective assessments. Support Care Cancer 2024;32:304. https://doi.org/10.1007/s00520-024-08504-4
- ・Okayama T, Suzuki K, Morishita S, Inoue J, Tanaka T, Nakano J, Fukushima T. Pretreatment quality of life and survival in patients with lung cancer: a systematic review and meta-analysis. BMC Cancer 2024;24:495. https://doi.org/10.1186/s12885-024-12267-w
- ・Suzuki K, Morishita S, Nakano J, Okayama T, Inoue J, Tanaka T, Fukushima T. Association between quality of life and mortality risk in patients with breast cancer: a systematic review and meta-analysis. Breast Cancer. 2024;31(4):552-561.
- ・Inoue J, Saito T, Makiura D, Ono R, Doi H, Yakushijin K, Sakai Y. What are Factors Influencing on Life Space Mobility in Cancer Survivors after Hematopoietic Stem Cell Transplantation -Physical Function, Depression, Fatigue, Neighborhood Walkability, or Employment Status HEMATOLOGY/ONCOLOGY AND STEM CELL THERAPY 2024;17:146e153
- ・井上順一朗, 後村大祐, 三浦大祐, 奥村真帆, 酒井良忠．「リンパ浮腫教育入院」により上肢続発性リンパ浮腫の改善と運動セルフ・エフィカシーの向上が認められた乳癌術後の一症例．日本がん・リンパ浮腫理学療法学会誌．2024; 1: 29-36．
- ・Doi Y, Ogawa M, Ishihara K, Inoue J, Izawa KP. Effects of Group Exercise Intervention on Quality of Life and Physical Parameters in Patients with Childhood Cancer: A Systematic Review. Curr. Oncol. 2024, 31, 1035-1046.
- ・Mizuta M, Kondo S, Hibi A, Ueda Y, Makiura D, Ono R, Akisue T. Association between preoperative social frailty and malnutrition six months post-surgery in older patients with gastrointestinal cancer: A prospective cohort study. 2024. doi: 10.1016/j.jgo.2024.101782. Journal of Geriatric Oncology.
書籍・出版物
Beatriz Korc-Grodzicki, William P. Tew, 水谷 友紀, 小川 朝生(編)．日本老年腫瘍研究会(監訳) ．「老年腫瘍ハンドブック」第Ⅱ編 老年症候群12．社会的孤立と介護者の負担（井上順一朗）．丸善出版．2025
網本和監修，菅原憲一・松田雅弘編．「標準理学療法専門分野 物理療法学 第6版」IX 圧迫療法（井上順一朗）．pp270-286. 医学書院．2024
日本リハビリテーション医学会監修／日本がんサポーティブケア学会編． 患者さんのためのがんのリハビリテーション診療Q&A．第9章 血液腫瘍・造血幹細胞移植．第10章 がん薬物療法・放射線療法（井上順一朗）．金原出版．2023
日本がんサポーティブケア学会編．「高齢がん診療ガイドライン策定とその普及のための研究」研究班著：よくわかる老年腫瘍学．第2章 5．治療による悪化を防ぐアプローチ 2．運動面（リハビリテーション）（井上順一朗）．金原出版．2023
Morishita S, Inoue J, Nakano J, eds. Physical Therapy and Research in Patients with Cancer. Springer Nature Singapore, 2022
日高正巳・他編：理学療法アクティブ・ラーニング・テキスト 地域理学療法学．第8章 緩和ケア・終末期理学療法（井上順一朗）．文光堂．2022
「こんなときどうする!? ここが知りたい!! リハビリ専門職のためのがんリハビリテーション」島崎寛将・井上順一朗編．医歯薬出版．2021
「チーム医療のためのがんロコモハンドブック」ロコモチャレンジ！推進協議会がんロコモワーキンググループ編．総合医学社．2021（井上順一朗）
「がんのリハビリテーションマニュアル 周術期から緩和ケアまで 第2版」辻哲也編．医学書院．2021 （井上順一朗）
日本リハビリテーション医学会 がんのリハビリテーション診療ガイドライン改訂委員会編：がんのリハビリテーション診療ガイドライン 第2版．金原出版．2019（井上順一朗）
日本がんサポーティブケア学会編：高齢者がん医療Q＆A 第3章支持療法 7. がんのリハビリテーション診療（井上順一朗）．http://jascc.jp/wp/wp-content/uploads/elderly0523/qa3-7.pdf 2019．
Junichiro Inoue, et al. 5. Rehabilitation for bone metastasis after surgery or RT., Chapter 1. New Paradigms of Radiotherapy for Bone Metastasis., Radiotherapy, edited by Cem Onal, pp 11-15, Intech, 2017
井上順一朗，神津玲・編「理学療法MOOK21 がんの理学療法」三輪書店，2017