神戸大学は、「医療機器開発の日本型エコシステム」の中核となるグローカル・ハブ拠点の形成を目指しています。地域に根差した医療・研究開発基盤を活かしながら、国内外の知識、人材、技術をつなぐハブ拠点として、革新的医療機器の創出と社会実装を加速することを目標としています。
本拠点では、特にスタートアップ(SU)、中小企業、アカデミア等に対し、臨床現場のニーズ抽出から技術シーズ創出、試作・検証、事業化、さらには国際展開まで、一貫した伴走支援を提供しています。また、医療機器開発のプロセスそのものを人材育成の場と位置付け、大学院医学系研究科医療創成工学領域・専攻、医学部医療創成工学科、社会人アップスキリング教育「メディカル・デバイス・プロデューサー(MDP)育成プログラム」(*)を通し、次世代の開発人材および開発支援人材の継続的な輩出にも取り組んでいます。さらに、希少疾患等の事業性の観点から開発が進みにくいアンメットメディカルニーズにも積極的に挑戦し、社会的インパクトの高い医療機器の創出を推進しています。
国内発医療機器の国際展開(Outbound)と、海外スタートアップや支援機関の日本進出支援(Inbound)の両面を推進し、国内外に開かれた持続可能なエコシステムを構築することで、世界と地域をつなぐグローカル・ハブ拠点として、医療機器産業の発展と医療課題の解決に貢献していきます。
*2026年度のカリキュラム改定により「メディカル・デバイス・プロダクトマネジャー(MDPM)育成プログラム」に名称変更
臨床現場と人材育成現場の融合、外部機関との連携により人材育成と医療機器開発を一体的に推進

神戸大学では、医学部附属病院および医学部附属国際がん医療・研究センターの2つの臨床現場と、医療機器開発人材育成や開発実践、社会実装支援等の機能を有する学内組織が連携・協働することにより、革新的医療機器の創出、社会実装、ならびに開発人材の育成を推進しています。
その推進体制の中核となる医学部附属病院 医工探索創成センター「医療機器社会実装支援ユニット」では、学内組織に在籍するプロジェクトマネジメント、マーケティング、知財、薬事、保険適用、事業化等の専門家が一堂に会してチームを形成し、株式会社神戸大学イノベーション(KUI)、株式会社神戸大学キャピタル(KUC)と連携し、スタートアップ、中小企業、アカデミア等に対して、臨床ニーズの探索から事業化、さらには国際展開を見据えた伴走型支援を提供しています。
また、当拠点の特徴的施設の一つ、産官学医が共創する開発実践拠点であるメドテックイノベーションセンター(MIC)では、各種プロトタイピング機器や評価環境を活用し、開発初期段階から迅速な試作・検証が可能です。工学系研究者や臨床工学専門家の支援のもと、臨床現場を見据えた評価と改良を繰り返すことで、医療機器開発の加速化を図っています。さらに、大動物評価が可能な統合型医療機器研究開発・創出拠点(MeDIP)、神戸医療産業都市推進機構、神戸市立医療センター中央市民病院や兵庫県立こども病院などの医療機関、企業群とも連携する中で、当拠点は神戸医療産業都市における産官学医連携の中核機能を担っています。加えて、開発支援機関の大阪商工会議所やふくしま医療機器産業推進機構、医療機器開発連携推進ネットワーク 和(やわらぎ)との継続的連携を続けるとともに、海外の大学、ベンチャーキャピタル、インキュベーター、アクセラレーター等といった国外機関との連携も深めながら革新的医療機器の創出と社会実装の加速化を目指しています。

メドテックイノベーションセンターでは、「スピード感のある医療機器開発」および「医療機器開発プロジェクトを教材とした実践的カリキュラムによる人材育成」の実施に向けて、産官学医が有機的に連携して初期開発を実践できる場を提供します。最先端工学機器や医療機器を備えた研究開発ラボや共用のメディカルデバイス工房、企業が入居可能なレンタルラボに加え、産官学医の多様な人材のための交流スペースを効果的に配置することで、総合知(地)としての機能性と価値を高めて持続的な医療機器の創出および創造的開発人材の輩出による医療機器産業の活性化を目指します。


