神戸大学 医学部附属病院

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診療の特色

造血幹細胞移植・化学療法施行患者さんに対するリハビリテーション


無菌室内でのリハビリテーション

造血幹細胞移植(以下、移植)とは、白血病や悪性リンパ腫などの造血器疾患に対して、大量化学療法や全身放射線照射(TBI)による移植前処置療法(以下、前処置)を行い、患者さんの正常骨髄細胞と一緒に悪性細胞を根絶し、その後ヒト白血球抗原(HLA)の適合するドナー由来の造血幹細胞、あるいは予め採取し凍結保存しておいた患者さん自身の造血幹細胞を輸注することにより、失われた造血機能を回復させる治療法です。

しかし、その治療の過程において、原疾患に起因する身体活動量の低下、前治療としての化学療法による体力低下、移植前処置に伴う安静臥床、移植後合併症としての全身倦怠感、消化器症状、不眠、免疫力低下に伴う感染症、移植片対宿主病(GVHD)などの発症により、身体活動が著しく制限されます。さらに、無菌室内での長期間の隔離・安静により、全身筋力および体力の低下、柔軟性低下、心肺機能低下、抑うつ・認知機能低下など重度の廃用症候群が生じる危険性が高いとされています。これら廃用症候群は、退院後の日常生活復帰を遅延させ、職業復帰や余暇活動にも悪影響を及ぼし、移植患者さんのQOLを著しく低下させます。そのため、廃用症候群予防のための移植前からのリハビリテーション介入が重要です。

当院では、移植治療目的での入院中の生活リズムの構築と無菌室内での身体活動量の維持・向上により廃用症候群を予防し、移植患者さんの早期退院・早期社会復帰を実現することを目的に、入院から退院まで継続したリハビリテーションを行っています。