薬剤部の紹介

部長あいさつ

薬剤部長 矢野育子 
神戸大学医学部附属病院薬剤部のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。当院は明治2年開設の神戸病院に始まり、県立神戸病院、神戸医科大学を経て、昭和42年神戸大学医学部附属病院となりました。私は4代目の教授・薬剤部長として平成30年10月に就任いたしました。令和2年4月には調剤機器の更新に合わせて薬剤部がワンフロア化され、気分も新たになったところです。

薬剤部のミッションとして、(1)患者中心のチーム医療を実践する、(2)10年後の医療を牽引する薬剤師を育成する、(3)明日の薬物治療に変化をもたらす、(4)兵庫県の医療に貢献する、の4つを設定しています。先端医療を担う大学病院の一部門として、薬剤業務を着実かつ安全に遂行することを最重要項目としながらも、業務の効率化と新規業務の開発を行い、患者さんの治療に目に見える変化をもたらしたいと努力しています。

当薬剤部では、ポリファーマシーの是正や入院患者さんの持参薬や定期処方オーダの仮登録など、病棟業務を丁寧かつ数多く行っています。また、がん、感染制御、妊婦・授乳婦など認定・専門薬剤師が多く在籍し、チーム医療にも積極的に関わっています。さらに、病診薬連携の強化にも注力しており、院外処方箋における疑義照会簡素化プロトコールやトレーシングレポートの運用、経口抗がん薬の適正使用のための連携体制の構築、定期的な近隣薬局との合同勉強会の開催等を行っています。

薬剤師教育においては、平成21年に設立された神戸大学・神戸薬科大学薬剤師レジデント制度に加えて、令和2年度からは神戸大学独自の薬剤師レジデント制度を開始し初期研修を充実させるとともに、薬剤部員の認定・専門薬剤師の取得や学会活動の支援にも力を入れています。薬剤師の研究としては、医薬品適正使用に関わる新規薬剤業務の開発とその評価、薬物血中濃度測定や遺伝子多型解析に基づく治療の最適化への取り組みなどを行っています。

ICT(情報通信技術)が進み、調剤ロボットやAI(人工知能)が導入され始めてきた今、10年後に活躍する薬剤師に必要なものは何でしょうか。それは患者さんに寄り添う思いやりの心と、創造(想像)する力、そして薬剤師としての責任と覚悟だと思います。これらを身につけ、薬剤師としての矜持をもってチーム医療の中で活躍する姿が目に浮かびます。患者さんの薬物治療や生き方に変化をもたらすような、未来に繋がる新しい業務を楽しみながら進めていきたいと思います。