祝辞

神澤 良明

射線部設置40周年を迎えるに当たって

 このたびは放射線部設置40周年、誠におめでとうございます。私は昭和43年(1968)4月に神戸大学病院に就職して以来、平成22年(2010)3月までの42年間を放射線部で仕事をさせていただいた。40年の歴史の大部分を経験したことになる。

 放射線部は昭和47年に設置された当時は中央放射線部と称していた。初代技師長は垣鍔房穂氏、2代目は北山卓弘氏、3代目は阿曽一雄氏で私は4代目である。私は平成8年4月から技師長を務めた。

 就任後、取り組んだのは奨学寄附金の口座開設であった。当時、放射線部技師の出張旅費は20万円で十分な額とはいえなかった。学会に参加するにも満足に手当はできなかった。向学心に燃え、新しい技術を学ぼうとする技師が学会に参加できない状態であった。これを打開するために河野通雄部長に放射線部の奨学寄附金口座開設をお願いした。これにより奨学寄附金を募り、出張等に使えるようにしていただいた。年間20数名が学会に参加できるようになり、やる気を育てる一助になったようである。

 次にCTの増設を企てた。CTの検査待ち時間が異常に長かった。2か月以上の待ち時間であった。老朽化したX線診断機器が多かったので、CT装置の更新順位は下位で、更新を待っていればいつ新しい装置が導入できるか分からなかった。そこで、国内外のメーカーにCT装置の無条件の寄附を打診した。幸いにも1社が応じてくれ、少し時間は掛かったものの、平成10年度にはCT装置が増設できた。装置の増設と更新、技師諸氏の業務改善等で検査件数の大幅増につながった。増設には技師室の移動が必要となり高エネルギー棟2階に移転した。同じく技師長室も移動し、075棟地下の旧磨工室に移転した。

 技師長室はこれを皮切りに旧病棟2階西の6人用病室、075棟1階(現在の技師長室)へと転々とした。

 技師長として最後の仕事は医療技術部の設置である。

 平成15年より医学部と歯学部の病院統合が始まり、医療技術職員の一元的管理を目的に診療支援部が設置されだした。平成18年には14の国立大学病院に名称は違うものの医療技術部が設置された。

 平成18年に神戸大学病院でも医療技術部設置に向けてワーキンググループを立ち上げて組織、内規の検討を経て、平成20年1月1日に院内措置として設置され、部長に私が、副部長には検査部木下技師長、リハビリ丸山技士、臨床工学山元技士、栄養管理戸田管理栄養士が就任した。平成21年4月に大学の組織として正式に設置された。医療技術部の職員は約150人の大世帯となった。

 神戸大学病院医療技術部の骨子は医療技術部に医療系技術職員を一元的に所属させ、診療支援業務を行う。現行の中央診療施設等の管理及び運営は、当該中央診療施設等が行う。また、医療系技術職員の定員管理は、医療技術部において行うこととなった。

 この医療技術部設置に関しては杉村病院長のリーダーシップによるものであり、深謝する。

 
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