CTComputed Tomography

CT部門紹介

CT検査とは
・X線を使って体内の断層像を撮影し画像化します。
・体内の様子が詳しくわかり診断や治療に大変役に立ちます。(数mmの小さな病変を描出することができます)
・短時間で広範囲の撮影ができます。(胸部から腹部まで10秒程度の息止めで撮影が可能です)
・当院では自動露出機構(AEC)という機能を使用し、被ばく低減を行っています。

CTを受けられる患者さんへ

次のような方はスタッフに声をかけて下さい。

・妊娠をしている方、または、妊娠をしている可能性のある方
・心臓ペースメーカ、植込み型除細動器(ICD)を使用している方

検査準備

・造影検査を行う方、主治医より指示があった方は食事を4時間前から制限して下さい。
  *水分(水、お茶)はかまいません。
・常用薬を服用されている方は主治医の指示に従って下さい。
・撮影する部位の金属は取り外して下さい。
 例)ヘアピン、補聴器、入れ歯、ネックレス、ピアス等

検査中は・・・

・検査時間は約5~20分です。
・検査中は体を動かさないで下さい。
・検査中はスタッフといつでも会話ができます。
 また検査中の状態は監視モニターでも観察していますので、安心して下さい。

造影検査を受けられる患者さんへ

・造影検査とは、造影剤を使用することで組織間のコントラストを向上させ、画像の情報量を増やします。また血管や腫瘍などを明確に描出することが可能になります。
・主治医より造影検査の目的などの説明があり、承諾されましたら、同意書と問診票の記入をしていただきます。
・食後4時間経過していない方や以前に造影検査にて副作用が出た方、糖尿病薬を服用されている方はスタッフに声をかけて下さい。

造影剤アレルギーについて

造影剤が体内に入ると全身に熱感を感じます(個人差はあります)。時間が経てば、治まりますので、安心して下さい。かゆみや気分不良などが起きた場合はすぐにスタッフに声をかけて下さい。

急変時対応訓練

重篤な副作用が起きた場合早急に対応できるように、放射線科医師、救急部医師、研修医、インジェクションナース、救急看護師と共に急変時対応訓練を行っています。異なる副作用の症状・環境など、あらゆるシチュエーションに対応できるよう実践さながら行っています。当院のスタッフは常に「準備」「意識」をしています。

CT装置

CT室ではCT装置を4台設置しています。
(血管造影室やアイソトープ検査室、放射線治療室にもCT装置があります)

・キヤノンメディカルシステムズ社製 Aquilion ONE /GENESIS Edition
・キヤノンメディカルシステムズ社製 Aquilion Precision
・Siemens社製 NAEOTOM Alpha
・GE社製 Revolution CT

勉強会・カンファレンス

CT画像に対する意見交換や、翌日の検査に対する撮影方法の確認、最新技術の習得など1か月に2~3回勉強会を行っています。演者が勉強したいことを自由に発表し、1人で知識をつけるのではなく、スタッフ全員で成長しています。
常に医師が求める以上の画像提供を目標に「撮影技術」「読影力」を向上させるため、スタッフ全員で業務終了後に行っています。

被ばく管理

当院では、医療法改正に基づき、撮影時の被ばくの低減を図るため、被ばく管理システムの導入をしています。成人では撮影部位ごとに標準体重での管理、小児では撮影部位及び年齢での管理を行なっています。法令や関連学会のガイドラインをもとに、最適な条件で検査を行い、放射線による被ばくを必要最小限にすることに努めています。各装置、体格、撮影方法で被ばく線量が異なるため、撮影線量の最適化ができるよう日々検討しています。

学会発表・Image Contest

 

国内、国外問わず毎年、積極的に学会発表を行っています。
医師と協力して研究も行う事も可能です。

また2009年から毎年、画像コンテスト(画論The Best Image、Image Contest)に応募しています。2015年は Image Contest において Best Overall (最優秀賞) でした。より高度で精密な3D画像が作成できるよう、日々努力しています。

当院の特徴

 当院にはCT検査室に4台のCT装置があり、複数の異なるメーカーのハイエンド機種を取り揃えた珍しい施設です。それぞれの装置の特徴を活かして検査内容ごとに検査を振り分けています。

 まずCanon社製Precisionは、SHR(Super High Resolution)モードと呼ばれるスライス厚0.25mm、再構成マトリクス1024*1024の高精細撮影が可能です。微細な構造を描出することが必要な脳神経外科の術前の頭部CT Angioや、中耳の撮影に活かしています。
 またCanon社製Aquilion ONEでは、320列のArea Detectorを有しており16cmの幅を1回転で撮影することができます。1回転で撮影する頭部(小児や体動抑制が困難な患者さん)や四肢(主に手部、手関節、肘関節)の撮影時間は1秒ほどなので、スループットが高く、患者さんにストレスを与えない検査が可能です。また最新のDeep Learning Reconstruction(AiCE, PIQE)が搭載されており、被ばく低減をしつつ高画質な画像を提供できるようになりました。
 当院の夜勤帯や休日では主にCanonで撮影しているため、新しく入職された方はまず上記2台を研修します。

 次にGE社製Revolution CTです。こちらも256列のArea Detectorを有しており、Aquilion ONEと同様に16cmの幅を1回転で撮影することができます。1回転で心臓を撮影できるため高心拍や不整脈症例、息止めが困難な患者さんの心臓CT検査にも対応可能です。また、心拍数と検査目的に最も適した心臓CT撮影プロトコールを自動で設定するアプリケーション「Auto Gating」の使用によって、撮影者の経験に左右されることなく心臓CT撮影ができるようになりました。

 最後は2024年3月に導入したSIEMENS社製NAEOTOM Alphaです。こちらはフォトンカウンティング検出器になっており、従来のエネルギー積分型検出器と比較して、空間分解能の向上や画像ノイズの低減、コントラストの向上、それに伴う被ばく線量の低減が期待できます。X線の情報をそのままダイレクトに電気信号に変えるので常にスペクトラル画像の取得が可能になりました。臨床では低keV画像やヨードマップなどに用いられています。
 また2管球を利用したFlash Spiralと呼ばれる高速撮影では70cm(胸腹部)を0.95秒で撮影することが可能です。モーションアーチファクトが出やすい心臓や大血管の症例、そして息止め困難な患者さんや小児の撮影に使用しています。当院の心臓CT検査は時間分解能が高いNEAOTOM Alphaをメインに使用しています。
 当院では2013年4月からDual Source CTを使用しているため、10年以上の臨床経験があります。新しい技術を用いているため扱いが難しい装置ですが、臨床経験豊富なスタッフのもと、汎用性が高いNEAOTOM Alphaのアドバンテージを十分活かすことができています。

 新人教育は主任ではなく年齢が近い先輩が行います。先輩がすぐそばで見守りながら、2週間後には基本1人で検査を行います。1日30~40件の検査を毎日行うことで自信をつけることができますし、夜勤を通して様々な経験が可能です。

当院のCT件数は200件/日以上と他の病院と比較してとても多い件数ですが、医師・看護師・診療放射線技師・事務員のチームワークにより、安全な検査を効率良く行っています。常に患者さんファーストで、質の高い医療を提供しています。

CT検査室に関わるスタッフ(2024年12月現在)

診療放射線技師 10名 (うちX線CT認定技師 6名)
看護師 4名
放射線科医 3名

紹介動画

放射線部院内地図

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