アイソトープ検査とは、放射性医薬品(ガンマ線という放射線を放出する薬剤)を投与して、体外に放出される微弱なガンマ線を計測し、その分布や量から病気の有無や臓器の機能を診断する検査です。
薬剤に放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)が用いられることから、RI検査とも呼ばれます。
薬剤は目的とする臓器や疾患により多種にわたります。
投与方法は注射や、カプセルの内服、ガスを吸入する方法があります。
体内の薬剤は数時間、遅くても数日で体内からなくなるため安全です。
また、被ばくの量は他の検査と比べても高いものではありません。
国立研究開発法人 放射線医学総合研究所
http://www.nirs.go.jp
当院ではSPECT装置を3台所有しています。
CTが一体となったSPECT/CT装置や心臓専用の装置があり、脳、心臓、肝臓などほぼ全ての臓器、器官を目的とする数多くの検査に対応しています。
検査によって、使用する薬剤、検査時間は異なりますので、詳しくはスタッフにお尋ねください。
SPECT
心臓専用カメラ
ブドウ糖とよく似た構造の18F-FDGという薬剤を使用します。
多くの悪性腫瘍は正常な細胞と比べてブドウ糖をたくさん必要とします。そのため、ブドウ糖の代わりにFDGを取り込んでもらい、その状況をPET装置で撮像することで悪性腫瘍の位置や大きさが分かるだけでなく、病気の活動性や治療の効果を調べることができます。
当院ではPET装置を2台所有し、うち1台はCTが一体となったPET/CT装置です。
PETとCTを重ね合わせた画像を作成することで、より詳細な臓器・器官の形態や位置情報を提供します。
もう1台は日本にもまだ10数台しかない、PETとMRIが一体となったPET/MRI装置です。
PETとMRIを同時に撮像できるため、重ね合わせた画像の位置ずれが少なく、またMRIの優れたコントラストにより、診断能の高い画像を提供することができます。
2014年より、アイソトープ室は低侵襲棟の地下1階へ移設しました。その際に、PET用薬剤の院内製造システムを設置し、現在ではサイクロトロン(PET検査で使用するポジトロン核種を作るための装置)やFDG自動合成装置により、18F-FDGを製造しています。
今後は、18F-FDG以外のPET用薬剤を製造し、心臓、脳などの働きを画像としてとらえ、病気の原因や病状を的確に診断できるよう、準備を進めております。
放射性医薬品は病気の診断だけでなく、治療にも使われています。
当院では現在、下記の治療を行っております。(治療の適応にはいくつかの条件があります。詳しくは主治医にご相談ください。)
・甲状腺がん(乳頭がん・濾胞がん)に対する放射性ヨード内用療法(ヨウ素-131)
・去勢抵抗性前立腺がん骨転移に対する治療(ラジウム-223)
・濾胞性リンパ腫に対するゼヴァリンによるRI標識抗体療法(イットリウム-90)
・神経内分泌腫瘍に対するペプチド受容体放射性各種療法(ルテチウム-177)
当院では以下の装置を設置しています
■SPECT
・SEIMENS社製:Symbia Pro.specta X3
・GE社製:OptimaNM/CT640
・日本バイオセンサーズ社製:D-SPECT
■PET
・GE社製:Discovery MI PET/CT
・GE社製:SIGNA PET/MR
■サイクロトロン
・HM12S:住友重機械工業株式会社
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診療放射線技師 8名
(うち核医学専門技師 5名)
看護師 1名
核医学専門医 6名
PET核医学認定医 5名